写真1●KDDI 代表取締役執行役員専務 田中孝司氏
写真1●KDDI 代表取締役執行役員専務 田中孝司氏
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写真2●ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでのIS03発売イベント
写真2●ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaでのIS03発売イベント
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写真3●ビックカメラ有楽町店でのIS03発売イベント
写真3●ビックカメラ有楽町店でのIS03発売イベント
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写真4●店頭に並んだIS03
写真4●店頭に並んだIS03
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写真5●NTTドコモも同じ日に「GALAXY Tab」を発売した
写真5●NTTドコモも同じ日に「GALAXY Tab」を発売した
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 「27万人にネットで『購入宣言』をしていただいた。KDDI始まって以来の、とんでもない予約数だ」---。KDDI 代表取締役執行役員専務 田中孝司氏(写真1)は2010年11月26日、Androidスマートフォン「IS03」の発売記念イベントで興奮気味に語った。

 IS03の発売にあたって、Webサイトに登録してIS03の購入を宣言すると、予備バッテリーをプレゼントするキャンペーンを実施している。27万は、このキャンペーンに応募した登録者数だ。

 「KDDI初の“1台持ち”スマートフォン」(田中氏)。これまでKDDIが発売したスマートフォンは従来型携帯電話との“2台持ち”を想定していたのに対し、IS03ではAndroidに、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線を搭載し、スマートフォンと従来型携帯電話の機能を統合し、1台ですべてこなせるようにした。

 イベントは、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba(写真2)とビックカメラ有楽町店(写真3)の2カ所で開催。それぞれ、ヨドバシカメラ 代表取締役社長 藤沢昭和氏とビックカメラ 代表取締役社長 宮嶋宏幸氏が登壇、テープカットやくす玉割りを行った。タレントのSDN48もゲストとして登場した。

 「心配なのは“弾切れ”。開発元のシャープには、24時間体制で製造にあたってもらっている」と田中氏は、端末の供給に全力を上げていることを強調した。すでにKDDIは60万台以上を発注したと見られる。「これからauの本当の復活が始まる」と、田中氏は気勢を上げた。

 予想以上の反響に田中氏は「来年度はスマートフォンとフィーチャーフォン(従来型携帯電話)が半々になると見ていた。しかし、この予想を見直す必要がある」と、2011年度にはスマートフォンが過半数を超える可能性を示唆した。またiPhoneとAndroidのシェア争いについても、「すでに世界ではAndroidの販売数がiPhoneを逆転している。日本でも同じことが起きる」との見方を示した。

 IS03には、KDDI自ら“禁断のアプリ”と呼ぶ、IP電話アプリSkypeを搭載した。Skypeを使えば、無線LAN経由で無料の音声通話も可能だ。このことについて田中氏は「Skypeには相手がオンラインかどうかなどを知ることができるプレゼンス機能があり、その際にパケット通信が発生する。そのため、トータルでは増収になると考えている」と述べた。実際に、Skypeを採用した米Verizon Wirelessでも増収になっているという。「音声通話はいずれ無料になる。先頭を切るのはKDDIだ」と田中氏は、携帯電話市場の構造変化に積極的に対応していくと強調した。

 またこの日は、NTTドコモもタブレット型Android端末「GALAXY Tab」を発売した。ドコモは発売イベントを行わなかったものの、店頭では両社が火花を散らしていた(写真4、5)。