独SAPの子会社TomorrowNowに著作権を侵害されたとして米Oracleが起こしていた訴訟について、Oracleは米国時間2010年11月23日、米連邦地方裁判所がSAPに対して13億ドルの損害賠償支払いを命じたことを明らかにした。ソフトウエアの著作権侵害に関する損害賠償では過去最大の金額だという。

 Oracleは2007年3月、TomorrowNowがOracleのソフトウエアコードなどを不正に入手したとして、SAPと同社米国法人、およびTomorrowNowを提訴。同年6月には、著作権法違反と契約違反の申し立てを追加していた(関連記事:「Oracle,SAPに対する訴訟で『著作権法違反』と『契約違反』も追及」)。

 TomorrowNowは、SAPが2005年2月に買収したサポートおよびメンテナンスのサービス会社で、現在は事業を閉鎖している。SAPは審理の前からTomorrowNowの侵害行為に対する同社の責任を認め、損害賠償を支払うことについては異議を唱えていなかった。

 ただ、侵害行為によるソフトウエアライセンスの損害が20億ドルに上るとするOracleに対し、SAPは4000万ドル以下だと主張していた。Oracle側の弁護団は最終段階で16億ドルを提示した(米New York Timesの報道)。陪審の判断は、Oracleの要求より低かったものの、SAPの主張をはるかに上回ったことになる。

 SAPは同日発表した声明で「当然のことながら当社は今回の評決に失望しており、あらゆる可能な選択肢を検討していく」と述べている。英メディアの翌日の報道(Financial Times)によると、SAPは和解も視野に入れているという。最終的な賠償金額は、今後判事が確定する。

[発表資料(Oracleのプレスリリース)]
[発表資料(SAPのプレスリリース)]