写真1●シスコ代表執行役員 社長の平井康文氏
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写真2●Android搭載タブレット端末「Cius」
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 シスコは2010年11月24日、デスクトップ仮想化システム/ソリューション「Virtualization Experience Infrastructure」(VXI)、仮想デスクトップ環境用の新端末「Cisco VXC 2100」と「Cisco VXC 2200」を発表した。同社代表執行役員 社長の平井康文氏は「仮想デスクトップ市場は、2011年から14年までに14倍以上成長するとの予測もあり、大きなチャンスとなる。この市場でリーダーシップをとっていきたい」と述べた(写真1)。

 VXIは、同社とパートナーの技術を組み合わせた仮想デスクトップ環境の統合ソリューション。ネットワーク機器、端末やソフトウエアなど、仮想デスクトップ環境の構成要素を組み合わせ、テスト・検証を済ませたシステムを提供する。ユーザーが仮想デスクトップ環境に必要な要素を自社で選び、それらを検証する手間が省ける。

 VXIはデスクトップ仮想化ソフトウエアとして、米ヴイエムウェアの「VMware View 4.5」と米シトリックス・システムズの「Citrix XenDesktop 5」を実装している。このほか、シスコの新コラボレーションツール「Quad」やユニファイドコミュニケーション用ツール、米EMCと米ネットアップのストレージシステム、米マイクロソフトが提供する多数のアプリケーションなどをサポートするという。

 同時に発表したVXC 2100とVXC 2200は、VXI用の仮想デスクトップ端末。VXC 2100は同社のIP電話機に装着するタイプで、IP電話機にPoEで供給される電力だけで動作する。キーボード/マウス用に4個のUSBポートと2個のディスプレイ出力を備える。VXC 2200は単体で動作する端末で、PoEまたはACアダプタで給電する。同様に4個のUSBポートと2個のディスプレイ出力を持つ。VXIは11月24日に、VXC 2100とVXC 2200は2011年上半期に販売を開始する。

 シスコは、同社のAndroid搭載タブレット端末「Cius」(シーアス)の実機も公開した(写真2)。日本で実機を公開するのはこれが初めて。今回、Ciusの発売時期を「2011年上半期の予定」であるとした。

 CiusはVXI用仮想デスクトップ端末として使える。発表会の直前に開いた顧客・パートナー向けイベント「Cisco Collaboration Summit Japan」の基調講演では、Ciusを使ったデモを披露した。現在のCiusの試作機はAndroidのバージョン2.1で動作しており、「発売時には恐らくバージョン2.2が搭載されるのではないか」(同社コラボレーション事業 コラボレーション営業部 部長の大中裕士氏)という。