米連邦通信委員会(FCC)は米国時間2010年11月23日、911番(日本の110番や119番に相当)への緊急通報のシステム改革に着手すると発表した。携帯電話から、テキストメッセージや写真、ビデオで通報できるようにする。

 FCCによると、911への通報は年間2億3700万件以上(1日当たり65万件以上)に上り、そのうち70%が携帯電話から発信されている。携帯電話は通話よりテキストや写真の送信に使われることが多いものの、大部分の911通報センターはブロードバンド接続を導入していないため、そうした大容量のデータを受信することができない。

 FCCは、モバイル端末からテキスト、写真、ビデオを使って現場情報を送ることができれば、緊急時の対応力が大幅に向上するとしている。例えば、テキストメッセージによる通報によって、障害を持つ人々が救助を呼べるようになるほか、通報者が声を発すると危険な場面などで有効であるという。また現場の写真やビデオを送信できれば、救急隊員などが状況を把握し、緊急事態へ対処するのに役立つ。

 911システムの近代化はFCCが進める「全米ブロードバンド計画(National Broadband Plan)」の勧告にも盛り込まれており、FCCは公共の意見を募るための手続きを12月に開始する。

[発表資料1(PDF文書)]
[発表資料2(PDF文書)]