米News Corporationは米国時間2010年11月22日、教育分野向け技術の米Wireless Generationを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。News Corporationは約3億6000万ドルを現金で支払い、Wireless Generationの90%を取得する。

 Wireless Generationは2000年に設立され、現在400人の従業員を抱えている。教師が生徒の学力を査定したり、個別指導を行ったりするためのパソコンおよびモバイルソフトウエアやデータシステムなどを開発しており、全米50州で20万人以上の教師と約300万人の生徒が同社のツールを利用しているという。

 同社が構築するデータシステムは、生徒のデータを集約し、教師や親が学習状況を把握できるようにするほか、教育者コミュニティ向けのソーシャルネットワーキング機能も提供する。米ニューヨーク市教育庁が同社の技術を採用している。

 買収手続き完了後、Wireless GenerationはNews Corporationの子会社となり、Wireless Generationの創設者および最高経営責任者(CEO)であるLarry Berger氏、社長兼最高執行責任者(COO)のJosh Reibel氏、執行副社長兼最高製品責任者のLaurence Holt氏が運営する。3氏が合計でWireless Generationの10%を保持する。

 News Corporation会長兼CEOのRupert Murdoch氏は、「幼稚園から12学年(高校3年)を対象にした教育市場は、米国だけで5000億ドル規模に上ると見られる」と説明し、「個別の生徒に対応した技術ベースの学習は新世代の公教育に大きな改革をもたらす見通しで、Wireless Generationはその最前線にいる企業だ」と述べている。

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