写真1●発表会の様子。登壇者はNTTコムの川淵聡・先端IPアーキテクチャセンタ課長
写真1●発表会の様子。登壇者はNTTコムの川淵聡・先端IPアーキテクチャセンタ課長
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写真2●「自動カロリー推定」機能のデモ
写真2●「自動カロリー推定」機能のデモ
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 NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)、NTTレゾナント、foo.logの3社は2010年11月22日、クラウドおよびソーシャル技術を利用して、ユーザーの体重や栄養状態などを管理できるサービス「健康増進アシストサービス(仮称)」の実証実験を2011年1月から開始すると発表した(写真1)。

 同実験は、申し込み用Webページ(後日発表予定)経由で1万人規模のユーザーを集めて実施する。参加費用は無料。NTTコムでは、実験で得られたフィードバックを基に2011年以降の商用化を目指すとしている。

 NTTコム、NTTレゾナント、foo.logの3社が協業してアプリケーションやサービス、インフラの開発および運用などを担当する。3社に加え、東京大学、ティップネス、エルネットがそれぞれ画像解析基盤技術の提供、レシピ情報の提供、エクササイズコンテンツの提供などで協力する。

 ダイエットにおいては一般に、食事のカロリーを計算する作業が非常に面倒である。健康増進アシストサービスではこの計算をクラウドで自動処理してくれる「自動カロリー推定」を採用していることが大きなウリとなっている。

 ユーザーがすべきことは、食事の前にスマートフォンなどで写真を撮ってクラウドに送信するだけ(写真2)。すると、クラウド上で色情報や質感(テクスチャ)の抽出処理などが行われ、食事画像やカロリーバランスを格納したデータベースとの比較照合により、クラウドがカロリー推定値を算出する仕組みだ。

 算出したカロリー推定値はクラウド上にユーザーデータとして蓄積され、1日の総摂取カロリーの管理や、栄養バランスを考慮した次の食事の提案、目標を超過したカロリーを消費するために最適な運動の提案(コンシェルジュ機能)などに利用される。

ダイエット状況をネット上のライバルと競える

 本サービスのもう一つのウリが、「ソーシャル対応」だ。サービスを利用する他のユーザーについて、ダイエットを競う「ライバル」として設定し、お互いにモチベーションを高めてダイエットを継続させるというものである。例えばBMI(Body Mass Index:肥満度)などをキーに自分と近いユーザーを検索しライバルとして設定する。

 ライバルに動きがあると、「ライバルの体重が1キロ減った」などのメッセージが表示されるのに加え、ライバルの食事内容や行動を閲覧することで、なぜ減ったのかを推測できるようになっている。

 なお、サービス開始時点ではAndroid端末とパソコン用のアプリケーションが提供される。NTTコムによれば、iPhone用アプリも開発済みで現在App Storeへの登録申請中という。申請が通り次第、iPhoneユーザーも実証実験に参加できるようになる見込みだ。