ソフト開発ベンチャーのあくしゅは2010年11月19日、Amazon EC2のようなIaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)を構築するソフト群をオープンソースとして公開した。仮想マシンの生成やその自動化、管理画面、アプリケーションの分散処理支援といった各種ソフトを取り揃えた。

 OSSとして公開したのは、仮想マシンの起動や削除などを制御する「Wakame-vdc」、仮想マシン群によるアプリケーションの分散処理を半自動化する「Wakame-os」、複数の仮想マシンから成るシステムの自動展開などを制御する「Wakame-fuel」の3ソフト。

 Wakame-vdcは、仮想マシンソフトの「Xen」と「KVM」を使ったIaaSを構築できるソフト。Webブラウザによる管理画面を用意し、仮想マシンの生成や削除、セキュリティ設定などを簡単に操作できる。Wakame-osは、プログラムのソースコードの一部をWakame-osが用意する命令に書き換えるだけで、複数の仮想マシンに処理を分散させられるミドルウエアである。Wakame-fuelは、複数のWebサーバーを負荷分散させるシステムなどを、あらかじめ定義した構成に従って自動で展開する機能を提供する。

 同日にOSSプロジェクトのWakame Software Foundationを設立。国内からあくしゅ、会津大学、クラウド利用促進機構、クリエーションライン、デザイニウム、ピコ・ナレッジ、海外から米ディストリビューテッド・コンピューティング・システムズの計7法人が参加する。OSSプロジェクトを通じて、実環境での運用ノウハウ共有やストレージサービス構築ソフトの開発などを進める。年内に15企業・団体の加入を目指す。