RSAセキュリティは2010年11月17日、データ保護ソフトウエア「RSA Data Protection Manager」を発表した。機密データを別の文字列に置き換えて利用する「トークナイゼーション」や暗号化、暗号鍵のライフサイクル管理といった機能を提供する。クレジットカード情報取り扱い事業者を主な対象として、12月1日に販売を開始する。

 RSA Data Protection Managerの主要機能であるトークナイゼーションは、クレジットカード番号をランダムに作成した同じ桁数の数字「トークン化データ」に置き換える。トークン化データは暗号化データと異なり、万が一漏えいした場合でも元データに復号することはできない。そのため、暗号化したカード番号を扱うアプリケーションはPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)審査対象となるのに対して、より強固なセキュリティのトークン化データのみを扱うアプリケーションはPCI DSS審査の対象外となる(図1、図2)。

図1●オンラインショップでクレジットカード番号を扱う場合のPCI DSS審査範囲(暗号化)
暗号化したカード番号を扱うアプリケーションはすべてPCI DSSの審査対象となる。
暗号化したカード番号を扱うアプリケーションはすべてPCI DSSの審査対象となる。資料提供:RSAセキュリティ
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図2●オンラインショップでクレジットカード番号を扱う場合のPCI DSS審査範囲(トークン化)
トークン化したカード番号のみを扱うアプリケーションはPCI DSSの審査対象外となる。
トークン化したカード番号のみを扱うアプリケーションはPCI DSSの審査対象外となる。資料提供:RSAセキュリティ
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 カード番号とトークン化データは1対1でマッピングして管理する。このため、カード番号を入力するアプリケーションや決済アプリケーション上では元データを使用し、その他のポイント加算システム、返金処理システム、CRM(顧客情報管理)などではトークン化データを使用するといった使い分けができる。カード番号の下4桁を残してトークン化することもできるので、既存のアプリケーションでも活用しやすい。

 同社 マーケティング統括本部 マーケティング プログラム マネジャーの関真氏は、「カード番号を扱うアプリケーションを限定することで、情報漏えいのリスクを低減し、セキュリティ運用コストを削減できる」と話した。