写真●レッドハットの廣川裕司社長
写真●レッドハットの廣川裕司社長
[画像のクリックで拡大表示]

 「2014年にはWindowsサーバーとLinuxのシェアが逆転する」---レッドハットの廣川裕司社長は2010年11月17日、ユーザー向けカンファレンス「レッドハットフォーラム2010」で高らかに宣言した(写真)。

 廣川氏は基調講演に先立ち、サーバーOSとしてのLinuxの現状や、11月16日に販売を開始したばかりの同社の主力OS「Red Hat Enterprise Linux 6」(RHEL 6)の導入メリットなどについて紹介した。

 廣川氏はまず、RHEL 6は「マイクロソフトより信頼性が高く、オラクルよりオープンで、ヴイエムウェアより競合力がある製品。Windowsサーバーの真の代替となりうる」と主張した。その根拠の一つとして、RHEL 6が搭載する「SR-IOV」(Single Root I/O Virtualization)など仮想化関連機能での競合に対する優位性を挙げる。「SR-IOVによって、仮想化で最もネックとなっていたI/Oとネットワーク周りのパフォーマンスが大幅に向上する」と廣川氏は話す。

 続いて、国内および全世界におけるサーバー分野でのLinuxと競合OSの売り上げ規模について紹介した。現状では、最大の売り上げ規模を誇るWindowsサーバー製品と、RHELを含むLinuxの売り上げ規模の比率が国内で3対1、全世界では2対1と大きく水を開けられている。しかし廣川氏によれば、市場におけるLinux製品の売り上げ規模は年率10%以上のペースで伸びている。2010年にUNIXを、2011年にメインフレームを抜くことが確実だという。

 加えて、同社は今後、Windowsサーバー製品のシェアを次第にRHEL 6が奪っていくとみている。これが「2014年にはLinuxがWindowsサーバーを抜き去る」理由だとしている。