USENは、テレビ向け有料映像配信サービス事業「U-NEXT」などを現在同社代表取締役である宇野康秀氏に譲渡することになった。2010年11月15日開催の同社取締役会において、U-NEXT事業及び個人向け光回線などの販売代理店事業(BB個人事業)を、会社分割(吸収分割)によりUSENの100%子会社であるU-NEXTに承継させるとともに、2010年12月22日付でU-NEXTの発行済株式の全てを現在のUSEN代表取締役である宇野康秀氏に譲渡することを決議し、各取引について契約を締結した。

 USENは、個人向けコンテンツ配信事業の将来の柱として、2007年6月にテレビ向け有料映像配信サービスU-NEXT事業を開始した。しかし、未だコストが収益を上回る状況にあり、かつ将来的には競合サービスとの差別化に向けた端末の更新に係る投資が必要となることが想定されていると状況を説明する。

 一方でUSENグループでは、2009年8月期に係る第3四半期連結会計期間以降、安定的な収益構造の確立を目指した「THE NEXT PROJECT」に基づき事業領域の絞込み、すなわち放送・業務店事業に特化するなどの諸施策を実施してきた。

 それでもUSENグループを取り巻く環境は依然として厳しく、引き続き事業領域の更なる絞込みなど体質強化を目指す必要があり、U-NEXT事業およびBB個人事業から即時に撤退し、足元の資金流出を抑制することがグループの企業価値向上に資するという結論に達したという。

 第三者への事業譲渡が望ましいと考え、譲渡先候補を探索したが事業の譲渡について合意できる候補先を見つけられなかったという。他方、宇野康秀氏より事業承継の申し出があり、同氏と事業承継の諸条件について協議・交渉を重ねた結果、今回の合意にいたったという。

 なお、この取引は、これに優越するとUSENが判断する提案がないことを条件として実行されるものという。

[発表資料へ]