米Googleの取締役会は上級管理職の給与を30%引き上げることを承認した。同社が米国時間2010年11月12日に米証券取引委員会に提出したForm 8-K(臨時報告書)で明らかにした。同社ではマネジャークラスの人材が相次いで米Facebookなどのライバル企業に移籍しており、こうした待遇改善で優秀な人材をつなぎとめるのが狙いと見られる。

 昇給の対象となるのは、最高財務責任者(CFO)のPatrick Pichette氏、グローバルセールス担当社長のNikesh Arora氏、エンジニアリング&リサーチ担当上級副社長Alan Eustace氏、製品管理担当上級副社長Jonathan Rosenberg氏の4人。各幹部の年間基本給はこれまで50万ドルだったが、これを2011年1月1日付で65万ドルにする。これに加え、基本給をベースに算出する賞与の限度額をこれまでの150%から250%にする。賞与の半分は個人の業績に応じ、残り半分は会社の業績によって決定するとしている。

 Googleは4人の幹部の株式報奨額についても明らかにした。Pichette氏とArora氏はそれぞれ2000万ドル相当、Eustace氏は1000万ドル相当、Rosenberg氏は500万ドル相当のGoogle株式を受けとる。また株式報奨の回数をこれまでの年2回から年1回に減らす。

 これに先立って、Googleが全従業員を対象に特別ボーナスの支給と10%の昇給を実施すると米Wall Street Journalなどのメディアが報じていた。同社では、Google Mapsの開発を手がけたLars Rasmussen氏や、Chrome OSのアーキテクト、Matthew Papakipos氏、Androidの上級プロダクトマネジャーだったErick Tseng氏などが米Facebookに移籍している。Googleはこうした事態を回避するため、豊富にある手元資金を利用する考えだ。

 なお創業者で技術部門社長のSergey Brin氏、同じく創業者で製品部門社長のLarry Page氏、そしてEric Schmidt最高経営責任者(CEO)の年間給与これまでと同じそれぞれ1ドル。またこの3人は2004年から幹部を対象にしたボーナス制度への参加を辞退している。

[Googleの臨時報告書]