富山メディアプラットフォームは2010年11月12日、高岡ケーブルネットワークを新たな研究パートナーとして迎え、映像コンテンツ制作/実証に関する協働の実証サービスを開始すると発表した。

 富山メディアプラットフォームは、慶應義塾大学SFC研究所プラットフォームデザインラボ、慶應義塾大学SFC研究所地域情報化研究コンソーシアム、ITホールディングスグループのインテック、チューリップテレビが2010年6月から推進している共同研究プロジェクトである。地域番組を制作・流通させる新たなしくみ (コンテンツ活用方法および配信・放送方法)をつくり、地上波ローカル局の新たな経営モデルの構築を目的に研究を推進してきた。

 実証サービスの内容は次の通り。地上波テレビ局であるチューリップテレビは、自社制作の人気映像コンテンツ(第1号コンテンツは「ゆるゆる富山遺産」)を富山県内で1月に地上デジタルテレビ放送を通して放送する。高岡ケーブルテレビは、市内版やエリア版を共同で編集・制作してケーブルテレビ(放送加入世帯3万4000世帯)を通して放送する。

 高岡ケーブルは、チューリップテレビと共同編集したこれら映像コンテンツを高岡ケーブルが提供するIP通信網(ネットワーク加入世帯約1万4500世帯)に限定してパソコンや多機能型情報端末(スマートフォン)で視聴可能な形態でも配信する。

 富山県内全域にチューリップテレビから放送される番組に関連した番組コンテンツとCMを、(1)エリア限定して配信する版、(2)高岡市内に限定して放送・IP配信する版、(3)県内放送する版、という三つのタイプの内容を異なる媒体で順番に放送・配信し、その広告効果を評価する。

 なお、インテックは、IP 通信網での映像コンテンツ配信に関する技術開発、慶應大学SFC研究所(プラットフォームデザインラボ、地域情報化コンソーシアム)は実証研究のマネジメントを通して本実証研究の実用化を目指す。

 今回新たにパートナーとして加わった高岡ケーブルは、「視聴者がコミュニティチャンネルに求めているのは、居住圏内の出来事や話題を数多く放送することであると改めて強く感じている。しかし、今以上の番組制作力と映像配信チャンネル、加えて資金が必要となる。今後予想される大手通信事業者との競争に勝ち抜くには、この分野・コミュニティチャンネルで差別化を図ることが必須となる。チューリップテレビの制作協力や、コミュニティチャンネルに加えて放送対象地域毎の配信チャンネル、そして地域CMによる資金回収を柱とする今回の実証実験には大きな期待を持って臨んでいる」といった内容のコメントを発表資料に寄せている。

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