永和システムマネジメントは2010年11月11日、初期費用0円、月額利用料形式の受託システム開発を開始したと発表した。アジャイル開発に適した契約形態とする。サービス利用料はシステムの規模に応じて月間15万円から150万円。

 永和システムは、「アジャイル開発」と呼ぶ開発手法を得意とする。アジャイルは俊敏を意味し、短いサイクルでのリリースを繰り返し不明確な要件をシステム化していく開発手法である。しかし「ソフトウエア業界での受託型の請負契約は要件定義が完了してから開発見積もり・契約するというやり方が当たり前となっており、お客様にアジャイルのメリットを実感いただくのが難しいという課題があった」(永和システム)。そのため、納品時ではなく、サービス利用期間に料金を支払ってもらう今回のビジネスモデルを考案した。

 このモデルの最大のポイントは、解約は自由で、利用年数にかかわらず解約手数料が発生しない点だという。すなわち「サービス提供者である私たちは途中解約されないように使い続けてもらえるシステムを本気で作ること、そしてお客さまのビジネスの成功をお客さまと一緒に考えていく」(永和システム)ことに尽力しなければならない仕組みになっているとする。

 価格は、システム規模により異なる。最も小規模なシステムを対象とする「プランSS」は、月額15万円。ほかに「プランS」「プランM」「プランL」「プランLL」があり、プランLLで月額150万円を予定している。いずれもハードウエア料金などは別。サービスを継続して利用する顧客には、4年目以降サービス利用料を半額とする。

 当初はトライアルとして、小規模システム向けの「プランSS」から開始する。顧客の業務要件をヒアリングし、月額形式サービスを適用できるかどうかを判断。適用できない場合は他の形態のサービスを提供するとしている。