図●ソーシャルメディア活用の仕組み(アビームコンサルティングの資料)
図●ソーシャルメディア活用の仕組み(アビームコンサルティングの資料)
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 アビームコンサルティングは2010年11月11日、ソーシャルメディアから得られる情報から、企業の利益を生み出すための仕組み作りを支援する新サービスを同日から開始すると発表した。ソーシャルメディアを利用する際のガイドラインや業務プロセス策定から、データ分析のためのシステム環境や効果測定までをカバーする。

 「ソーシャルメディア活用組織支援サービス」と呼ぶ新サービスは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や「Twitter」といったソーシャルメディアに含まれる“顧客の声(VOC)”を企業活動に結びつけることを支援するもの。BI(ビジネスインテリジェンス)などのツールだけでなく、VOCに基づいた行動が起こせるように、業務プロセスを作成したり、データをどう分析・活用するかといった仕組み作りそのものを支援する。

 具体的には、次のようなサービスを用意する。(1)ソーシャルメディア活用の構想からガイドライン、体制、リスク対応を含む業務プロセスの策定、(2)必要なシステムの開発・導入、(3)社内ポリシーに基づいたワークフローや自動投稿、各種ソーシャルメディアへの投稿とコメント返信といった運用環境の構築、(3)ソーシャルメディアと社内CRMシステムなどの連携、(4)VOCの分析および中長期ビジョン策定の支援、など。専門性が高い分析業務については、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)形態での代行も請け負う。

 同社によれば、日本ではソーシャルメディアが急速に浸透してきており、顧客と企業の関係に変化を及ぼしつつある。既に、人材採用やマーケティング活動などに、ソーシャルメディアを利用する企業が増えている一方で、新しいメディアへの取り組み姿勢が不明確なために、特定社員に負荷が集中したり、コミュニティーの反感を買うといった逆効果に至ったりするケースもあるという。

 ソーシャルメディア活用組織支援サービスの料金は、提供するサービス内容により変動するが、初期費用の目安は200万円から、導入期間は1カ月から。アビームコンサルティングは初年度に10社への導入を目指す。