米Red Hatは現地時間2010年11月10日、大規模システム向けのLinuxディストリビューションの新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)6」の正式リリースを発表した。種々のエンタープライズアーキテクチャをサポートし、物理的環境のほか、仮想化環境やクラウドコンピューティング環境への導入に対応するという。

 RHEL 6は、Red Hat独自のソフトウエア技術に加え、パートナー企業およびオープンソースコミュニティの技術を取り入れている。カーネルを強化し、リソース管理や、性能、拡張性を高めたほか、仮想化機能や電力管理機能の向上を図った。

 企業全体に配置された大規模なシステムを集中管理できるようプラットフォームを最適化し、最新ハードウエアのサポートを強化した。種々の環境における長期的な実装と新技術の追加を想定しているという。

 RHEL 6では、パートナー向け認定モデルを簡素化する。Red Hatが提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)やABI(アプリケーション・バイナリー・インタフェース)により、一度認定されたアプリケーションは、RHEL 6のライフサイクル全体を通じた稼働を保証する。アップデートや機能強化が容易になるため、利用企業は最新機能や修正を迅速かつ簡単に適用し、高い性能と安全性を保てるとしている。

 Red HatはRHEL 6について、「UNIXからLinuxへの移行を考える企業にとって魅力的な選択肢であり、米Microsoftの『Windows Server』の代替手段としても強力だ」と述べている。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]