米E Ink Holdingsは、カラー表示が可能な電子ペーパー「Triton Imaging Film」を発表した。千葉県の幕張で2010年11月10日~12日に開催される薄型ディスプレイ(FPD)関連の展示会「FPD International 2010」において同技術を披露する。
Tritonを使って、紙のような感覚で扱える低消費電力の携帯型デバイスを作れば、図やグラフ、地図、写真、マンガ、広告を盛り込んだ情報アプリケーションをカラー表示することが可能になる。従来の16階調グレースケールに加えて、数千色のカラーを再現でき、直射日光のもとでも見やすいはっきりした文字と詳細なカラー画像表示を実現するとしている。
Tritonを採用したディスプレイは、従来の同社電子ペーパーを採用したディスプレイと比べ反応が最大20%高速で、ページめくり、メニューの選択、注釈付け、簡単なアニメーション再生といった操作において、現在のユーザーインタフェースで求められる性能を満たしているという。
中国Hanvon TechnologyがTritonを採用した最初の電子書籍リーダーをリリースする計画を既に発表しており、同展示会ではHanvon Technology製「WISEreader」のデモンストレーションを行う。米メディアの報道(New York Times)によると、Hanvon Technologyの電子書籍リーダーは、9.68インチのタッチ式カラーディスプレイを搭載し、Wi-Fi(無線LAN)と第3世代(3G)ネットワークに対応する。来年3月に中国で発売する予定で、価格は約440ドルから。
当初、電子書籍リーダーのベンダー名を「Hanvon」と記載していましたが、正しくは「Hanvon Technology」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/11/10 12:45]