写真1●シルクロード テクノロジー日本法人の石橋 慎一郎社長
写真1●シルクロード テクノロジー日本法人の石橋 慎一郎社長
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写真2●米シルクロード テクノロジーのアンドリュー・フリップ会長兼CEO
写真2●米シルクロード テクノロジーのアンドリュー・フリップ会長兼CEO
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 SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型人材管理サービスを提供する米シルクロード テクノロジーが日本に進出する。2010年11月9日にシルクロード テクノロジー日本法人として活動を開始したと発表。内定者教育、社員採用管理などシルクロードのサービスを順次、日本で提供する。

 シルクロード テクノロジー日本法人は、ベンチャー投資事業を手がけるサンブリッジのグループ子会社で、人材育成支援パッケージソフト「3Rings」を販売するサンブリッジ ソリューションズの名称を変更する形で11月1日に設立された。米シルクロードが7割、サンブリッジと創業スタッフが3割を出資する。社長には、サンブリッジ ソリューションズの社長を務めていた石橋 慎一郎氏(写真1)が就任した。石橋氏は「我々が培った日本特有のノウハウとシルクロード製品を組み合わせて、大企業、中堅・中小企業を問わずビジネスを展開していく」と語る。

 シルクロードはタレントマネジメント、あるいはHCM(ヒューマン・キャピタル・マネジメント)と呼ばれる人材管理を支援する一連の機能をSaaSとして提供している。人事のコア機能を提供する「HeartBeat」を中心に、内定者教育や配置・異動管理の「RedCarpet」、パート・契約社員、正社員採用管理の「OpenHire」、評価管理の「WingSpan」、スタッフ育成支援の「GreenLight」といったモジュールで構成する。

 日本ではまず11月にRedCarpetの提供を開始する。「出社1日目から仕事ができる環境を実現する」(アンドリュー・フリップ会長兼CEO=最高経営責任者、写真2)ための内定者教育支援機能や、退職・異動・産休などライフイベントを管理する機能を提供する。続いて2011年1月にはOpenHireを提供する。OpenHireは「世界規模での人材募集活動を支援する」(同)サービス。ソーシャルメディアも利用して、世界中の候補者の中からニーズに最も合う人材を探し出す作業を支援する。そのほかのHeartBeat、WingSpan、GreenLightは2012年中に提供を開始する予定だ。

 米シルクロードの創立者であるフリップ氏は「経済危機以降、国際的に雇用体制を整備したいと考える企業が増えている。当社はサービスをクラウド環境で利用可能にし、多言語に対応することで、人材管理の国際化を支援している」と話す。GreenLight以外のモジュールはすでに英語やスペイン語、中国語など8カ国語に対応しており、日本で提供する際に日本語にも対応する。

 価格は1500ユーザーで600万円から。今後3年で7億~10億円の売り上げを見込む。既存製品の3Ringsは継続して販売する。将来的にシルクロード製品と組み合わせてSaaS形式で提供していくとしている。

 日本オラクルで初代の代表を務めた、サンブリッジ会長兼CEOのアレン・マイナー氏は「日本の考え方を取り入れて、日本の人材を生かせる製品やサービスを持つベンチャー企業を、数年間検討してきた。だが、今年2月にフリップ氏と会うまで、そうした企業に出会えなかった。このチームのサービスは一番になると確信している」と、シルクロードについて語る。セールスフォース・ドットコムの日本法人設立も手がけたマイナー氏は、日本での活動に関して「オラクルやセールスフォースを越えて、誰もが働きたいと思うような会社に育ててほしい。難しいだろうが可能性は十分ある」と期待を寄せる。