米Amazon.comは米国時間2010年11月8日、ベビー用品のネット通販サイト「Diapers.com」などを運営する米Quidsiを買収することで両社が合意に達したと発表した。買収金額は約5億ドルで、買収手続きは今年の12月に完了する見通し。Quidsiは今年7月に日用品サイト「Soap.com」を、11月には美容、化粧用品サイト「BeautyBar.com」を立ち上げている。ぞれぞれのサイトは買収完了後もQuidsi経営陣の下、独立して運営する。

 Amazon.comは、今年9月に「Amazon Mom」と呼ぶベビー用品の無料会員制プログラムを始めている。今回の買収で、こうした家庭・日用品分野の事業を強化する。米メディア(Wall Street Journal)によると、2003年に40億ドルだった家庭用品のネット販売額は2009年に100億ドルへと伸びている。売り上げ規模ではまだ小さいが、市場は急速に成長している。またQuidsiがDiapers.comを開始したのは2005年だが、ハイテクを駆使した倉庫管理と配送システムで効率的な運営を行い、顧客数を拡大している。

 Amazon.comは2009年7月にアパレルやフットウエアのネット通販サイト米Zappos.comを約9億ドルで買収したほか、今年6月にはディスカウントサイトの米Woot.comも買収している。こうした買収を通じ主要小売部門の収益拡大を狙っている(関連記事:Amazon.com、アパレル関連ECサイトのZappos.comを買収へ)。

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