写真1●NTTドコモの山田隆持社長
写真1●NTTドコモの山田隆持社長
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写真2●基本的には従来通りの2段階定額だが5Gバイトを超えると従量課金となる
写真2●基本的には従来通りの2段階定額だが5Gバイトを超えると従量課金となる
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写真3●東京地区におけるXi開始当初のサービスエリア
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写真4●12月発売予定のXi対応端末「L-02C」
写真4●12月発売予定のXi対応端末「L-02C」
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 NTTドコモは2010年11月8日、LTE(Long Term Evolution)を利用した下り最大37.5Mビット/秒(一部屋内では75Mビット/秒)の通信サービス「Xi」(クロッシィ)の詳細を発表した。NTTドコモの山田隆持社長(写真1)は、他社に先駆けてLTEの商用サービスを開始することについて、「端末に加えてネットワークもネクストステージに進めていく」と意気込みを示した。

 サービス開始は2010年12月24日(予定)から。当初はデータ通信専用サービスとなる。料金プランは「Xiデータプランにねん」「Xiデータプラン」の2種類を用意。Xiデータプランにねんは、2年の契約期間の縛りがあるタイプで、5Gバイトまでは従来の二段階定額制と同じになる。具体的には下限が月額1000円で、データ量が3177Kバイトを超えると1Kバイトごとに0.315円加算され、20667Kバイトを超えると月額6510円となる。

 ただし、従来のようにどんなに通信しても月額6510円が上限というわけではなく、データ量が5Gバイトを超えた場合は「利用の公平性の観点から」(山田社長)2Gバイトごとに2625円が加算される従量課金とした(写真2)。山田社長は「FOMAのユーザーの99%は5Gバイト以内の利用。そのため大半のユーザーは5Gバイト超の従量課金の影響は受けない」と強調した。またユーザーの希望に応じて、5Gバイトを超えた場合の通信をストップしたり、利用したデータ量をメールで知らせるサービスを提供するという。

 なお、2年の縛りのないXiデータプランの場合は、5Gバイトまでの2段階定額月額の下限が2470円、上限が7980円、5Gバイト超については同様に2Gバイトごとに2625円加算となる。

 Xi対応エリアは東名阪の一部のエリア、例えば東京地区の場合、山手線内のエリアや東京国際空港、成田空港など(写真3)。2011年度に全国県庁所在地級都市、2012年度には全国主要都市に拡げる予定。「2014年度には3万5000局、人口カバー率で70%超を目指したい」(山田社長)とした。2011年度中には音声通話サービスも提供する計画だ。

 サービス開始当初はエリアが限定されるため、2012年4月末までキャンペーンを実施する。例えばXiデータプランにねんは、上限額を月額4935円で提供する。キャンペーン期間中は5Gバイト超で従量課金となる加算も実施しない。

 現在の定額データプランで実施している帯域制限については、Xiでも同様のものを実施する。例えば、当日を含む直近3日間のデータ通信量が約380Mバイト以上の場合、通信速度を遅くする場合があるとしている。また1回の通信で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、通信を中断することがあるという。

 提供する対応端末はUSBスティック型の韓国LG電子製「L-02C」(写真4)とExpressCard型の「F-06C」の2機種を用意。L-02Cは12月24日発売予定、F-06Cは2011年4月発売予定となる。なお2011年早々にはLTE対応のモバイルルーターも用意したいとした。

 高速通信サービスとしては、イー・モバイルとソフトバンクモバイルが下り最大42Mビット/秒のDC-HSDPAに対応した通信サービスをそれぞれ開始する(関連記事1関連記事2)。これら他社のDC-HSDPAについて聞かれた山田社長は「DC-HSDPAは10MHz幅を使って最大42Mビット/秒。それに対してLTEは5MHz幅で最大37.5Mビット/秒を実現できる。周波数利用効率のよいのが特徴。10MHz幅を使えば最大75Mビット/秒になる」と説明。LTEならではのメリットを強調した。

[Xiのサービス詳細ページ]

■変更履歴
記事公開当初、第1段落で「上り最大37.5Mビット/秒」としていましたが,正しくは「下り最大37.5Mビット/秒」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/11/10 17:20]