立命館大学において、大学キャンパスにおける総合的なワンセグ放送実験を目的とする「R-one.TV」が開局した。立命館大学映像学部、京都市産業観光局、京都高度技術研究所(ASTEM)、京都放送(KBS京都)、リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ、ソフトバンクテレコムの産学公連携プロジェクトである。

 R-one.TVは、映像学部の産学公連携型正課授業である「企業連携プログラム」の受講生が中心となり、連携企業の協力のもとで実験放送設備の設置からコンテンツの制作、編成、配信を行う。また視聴者アンケートを実施して、ワンセグ自体の利便性や課題、コンテンツの視聴者効果を測定する。大学は、今後の授業配信を含む教育研究への活用、キャンパス内広報、学生への緊急連絡や各種啓蒙のメディア、学生の自主活動を支援するメディアとしての新しい可能性をさぐる機会と位置づけているという。

 京都高度技術研究所(ASTEM)は、実験結果を分析しフィードバックすることにより、教育、観光、地域情報発信などの分野におけるエリアワンセグの実用化・普及化に努めていくという。

 京都放送(KBS京都)は、実験試験局関連および所蔵アーカイブの協力をしている。リアライズ・モバイル・コミュニケーションズは、ソフトバンクモバイルの協力による「S-1(エスワン)バトル」の映像作品などを提供し、実験を通してエリアワンセグにおけるコンテンツの可能性を検証したい考え。

 ソフトバンクテレコムは、「クラウド型ワンセグ配信サービス」のビジネス化を目指しているという。今回の大学キャンパス内ワンセグ実証実験に対して、小型ワンセグ送信機(エイビット製)と独自開発の配信制御ソフトウエアを組み合わせて提供している。インターネット技術と連携した経済的かつ効率性の高いワンセグ配信ネットワーク(ライブ伝送型と蓄積型)と運用技術を、今回のフィールド実験を通して検証していくと説明する。

 実験の概要は以下の通り。放送場所は立命館大学衣笠キャンパス内の食堂Rosso(諒友館地下1階)、実験放送日は2010年11月8日~2010年12月24日を第1フェーズとして予定する。続いて、第2フェーズとして2011年3月31日まで実施予定である。実験放送時間は、毎週月曜日から金曜日の12時~18時。配信の内容は、(1)フラッシュニュース(学内の出来事、大学内イベント・行事情報など)、(2)エンタテインメント(「S-1バトル」、淀川長治氏による映画解説など)、(3)学生制作コンテンツ(キャンパス周辺情報、学部紹介、学生による研究成果の発表など)、(4)大学からのお知らせ(広報課、キャリアセンター、学生センターなど)である。

 なお、総務省が募集した「ホワイトスペース特区」にも、立命館大学衣笠キャンパス全体をワンセグ放送でカバーする計画で提案を行っているという。

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