写真●NECの大型メインフレームの新機種「i-PX9000 モデル A300」シリーズ
写真●NECの大型メインフレームの新機種「i-PX9000 モデル A300」シリーズ
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 NECは2010年11月5日、大型メインフレームの新機種「i-PX9000 モデル A300」シリーズを発表した(写真)。12月24日に出荷を開始する。ACOS大型機の新機種は2006年11月に発売した「A200」シリーズ以来となる(関連記事)。

 新機種の特徴は、従来の「A200」シリーズよりも最大で20%処理性能が向上した点だ。複数のプロセッサを同期させて、装置全体を効率的に動作させる「マルチプロセッサ制御方式」を強化した。48プロセッサの最大構成時に、A200シリーズと比較して、1.2倍の処理能力になる。

 プロセッサにはインテル製のデュアルコアプロセッサ「Itanium 9140N」を採用した。Itaniumシリーズの最新モデルはクアッドコアの「Itanium 9300」シリーズで、Itanium 9140Nは一世代前のプロセッサになる(関連記事)。最新のプロセッサを採用しない理由について「クアッドコアでは一つのプロセッサが停止すると、一気に4つのプロセスが止まってしまう。可用性を重視した機種なので、あえてデュアルコアのプロセッサを選択した」(NEC)と説明する。

 OSは新版となる「ACOS-4/MX」を採用した。これは2010年5月に発売したACOS中型機「S300」で採用したものと同じである。新OSでは、ACOSから外部のオープンシステムのデータベースにアクセスできる。「今までもオープンシステムからACOSのデータベースにアクセス可能だった。今回からその逆も可能になり、よりオープンシステムとの連携を強化できるようになった」(NEC)という。

 NECが4年ぶりとなるACOS大型機を発売する狙いは大きく二つ。一つは金融機関や官公庁、大手流通業といった既存顧客のソフト資産を継承できるようにすること。もう一つは、メインフレーム上でUNIXやLinux、Windowsなども動作させて、ミッションクリティカルシステムの統合を狙うことだ。

 標準レンタル料金は最小構成となる「A312」で月額1170万円。