欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2010年11月4日、プライバシー保護対策を強化する方針を明らかにした。1995年制定のデータ保護指令(EU Data Protection Directive)を見直し、ユーザーの「忘れられる権利」を盛り込んだ新たな法規導入を目指す。

 今回ECが発表した規定案では、個人情報の収集と使用を必要最小限にとどめること、個人情報が誰によってどのように何のためにどれくらいの期間収集および使用されるかユーザーに通知すること、またユーザーは十分な説明を受けた上で同意を与えることなどを定めている。

 さらに、データが不要になった場合あるいはデータを消してほしい場合に、ユーザーが削除を要請できる「忘れられる権利」を持ってしかるべきだとしている。

 また、警察の捜査や刑事裁判における個人情報の扱いについても考慮し、企業に6カ月~2年間の通信データ保存を義務づけるデータ保持指令(Data Retention Directive)の見直しも視野に入れる。

 ECは同規定案について、「個人情報保護という基本的権利を強化すると同時に、EU全体の自由なデータの流れを保証することが目的」と説明している。2011年1月15日まで一般の意見を募集し、2011年中に法案申請する。

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