「モバイルインターネットの時代、スマートフォンの時代がやってきた」(ソフトバンク 代表取締役社長 孫正義氏)。孫正義氏が今まで積極的にAndroidについて語る場面はほとんどなかった。だが、この日は違った(写真1)。

写真1●手にしているのは「GALAPAGOS 003SH」。左から孫正義氏、タレントの上戸彩さん、松田翔太さん。おしゃれに敏感な人向けのケータイであるという演出を行った
写真1●手にしているのは「GALAPAGOS 003SH」。左から孫正義氏、タレントの上戸彩さん、松田翔太さん。おしゃれに敏感な人向けのケータイであるという演出を行った
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトバンクモバイルは2010年11月4日に新製品発表会を開催し、Androidスマートフォンに対する取り組みを明らかにした。まず新機種を5機種投入。発表済みの1機種と合わせ、合計6機種の品揃えとする。Androidアプリへの取り組みとして、Android Marketでのキャリア課金も始め、アプリ購入の利便性を向上させる。また裸眼3D(3次元)表示機能を備えた機種向けに、3D映像コンテンツのデモンストレーションや、Ustreamで3D映像を配信するデモンストレーションも実施した。雑誌、書籍、動画、音楽などコンテンツ配信サービスも合わせて発表した。

 ソフトバンクモバイルは全24機種(モバイルWiFiルーターやUSBモデムを含む)を発表したが、発表会のほとんどの時間をAndroidスマートフォン6機種と、Android上のアプリ、サービス群の説明に費やした。

 同社のAndroidスマートフォンのラインナップは意欲的だ。「全機種Android 2.2を搭載した。また新機種『GALAPAGOS』には従来型ケータイの機能を全部盛り込んだ」。同社は、Android 2.2搭載で揃えるため、各メーカーに働きかけたという(関連記事)。「Android 2.2は、2.1とは違う。Flashコンテンツを視聴できる。企業ユーザー向けの管理機能も付いている」(孫氏)。実際、筆者も、同じハードウエア(Nexus One)でもAndroid 2.1から2.2に移行することで動作が軽快になった経験がある(関連記事)。

全機種Android 2.2対応、「GALAPAGOS」2機種は3D+フィーチャーフォン機能

写真2●「GALAPAGOS 003SH」のホーム画面
写真2●「GALAPAGOS 003SH」のホーム画面
[画像のクリックで拡大表示]

 発表会で、最初に取り上げ、また最も長い時間を使って説明したのは、シャープ製の「GALAPAGOS 003SH」(写真2)であった。今回最も力が入った機種といえる。

 裸眼で3D(3次元)表示を視聴できる機能と、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の機能群を取り込んでいる点を特色とする。従来型携帯電話の機能であった、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、キャリアメール(s! メール、デコレメール)の各機能を搭載する。

 ディスプレイは3.8インチWVGA(800×480画素)のNewモバイルASV液晶。カメラは有効画素数960万画素のCCD、AF(オートフォーカス)と手ぶれ補正機能、HD動画(1280×720画素)撮影機能を備える。外形寸法は約62×121×12mm、重量は約139g。13色のカラーバリエーションを用意する。発売時期は2010年12月上旬以降としている。

写真3●「GALAPAGOS 003SH」は13色のカラーバリエーションを用意する
写真3●「GALAPAGOS 003SH」は13色のカラーバリエーションを用意する
[画像のクリックで拡大表示]

 発表会では、同社のCMに出演するタレントの上戸彩さん、松田翔太さんが多彩なカラーバリエーションの中から好みのデザインのものを選ぶ様子を見せ、おしゃれに敏感な人向けのケータイであるという演出を行った(前出の写真1、写真3)。

 実際、この機種は、デザインや従来型携帯電話の機能を取り込んでいる点から、今回発表した中では最も「普通のユーザー向け」の機種といえるだろう。

写真4●「GALAPAGOS 003SH」の起動中のタスク一覧画面
写真4●「GALAPAGOS 003SH」の起動中のタスク一覧画面
[画像のクリックで拡大表示]

 同機種は、他のシャープ製Androidスマートフォン(KDDIが販売する「IS01」など)と似た機能も備える。「ホーム」画面長押しで表示するタスク一覧に、タスク終了のアイコンが付いている(写真4)。

 「GALAPAGOS 005SH」(写真5)は、先の「003SH」と異なりスライド式のフルキーボードを備える機種。大きさとキーボードを除いた仕様は「003SH」とほぼ共通である。3色のカラーバリエーションを用意する。発売時期は2011年2月中旬以降となる。この日の発表会の会場には実機はなく、コールドモック(実物大模型)を見せるに留まった。

 以上の2機種は、3D表示機能を大きな特徴とする。この機種には、『バイオハザード ディジェネレーション』など3Dゲーム7作品、『シュレック フォーエバー』など3Dムービー(映画の予告編など)7本をプリインストールする。

写真5●スライド式のフルキーボードを備える「GALAPAGOS 005SH」(実物大模型)
写真5●スライド式のフルキーボードを備える「GALAPAGOS 005SH」(実物大模型)
[画像のクリックで拡大表示]

 実際に「GALAPAGOS 003SH」で3Dコンテンツを視聴すると、目の前で3D画像が浮かび上がる様子を体験できる。携帯電話で立体映像を見る経験は、新鮮だった。本体の操作性は「発売までにチューニングで変わる可能性がある」(説明員)との注釈付きであった。

 また、発表会の後、Ustreamによる3D動画配信のデモンストレーションを展示した。Androidアプリとして提供されている「Ustream Viewer」の後継となる「Ustream」アプリの機能として、Ustreamで配信した3D映像を表示する機能を実現したものである。このアプリは「GALAPAGOS 003SH」と「同005SH」にはプリインストールする。