写真●記者発表後に記者の取材に答えるソフトバンクモバイル孫正義社長
写真●記者発表後に記者の取材に答えるソフトバンクモバイル孫正義社長
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 Android搭載スマートフォンを新たに5機種発表し、スマートフォンのラインアップを大きく拡張したソフトバンクモバイル(関連記事)。この製品発表会で同社の孫正義社長(写真)は、「現在iPhoneがスマートフォンのシェアの80%を占めている。これからもiPhoneの圧倒的な優位性は変わらない。今回はiPhone以外の2割の市場について、こだわり抜いた端末を用意した」と発表の狙いを語った。

 同社が最もこだわったのが「全機種最新のAndroid OS 2.2搭載」という点。Android OSの2.2は、アプリケーション動作速度の改善やFlashへの対応、Microsoft Exchangeと連携したリモートワイプの対応など、2.1と比べて大幅に機能が拡張されている(関連記事)。これらの最新機能が「最先端ユーザーにアピールできる」(孫社長)とこだわる理由を説明した。

 KDDIやNTTドコモのAndroid端末は、iモードメールやLISMOへの対応など、携帯電話事業者独自のサービスを作り込みしている。そのためか、例えばKDDIのAndroid搭載スマートフォン「IS03」は、最新OSではなくAndroid 2.1搭載となっている。この点について孫社長は「(事業者独自の)スマートフォンの作り込みはナンセンス。作り込めば作り込むほど枝分かれになり、最新のOSに対応できず2.1のままになる」と一蹴。「かつてパソコンの世界でこのような対応をした企業はすべて全滅した。我々はパソコン/インターネットの世界を体験している会社なのでこのような戦略はとらない」(孫社長)と話し、スマートフォンをパソコンと同様の汎用端末として取り扱っていく姿勢を強調した。

 とはいえ、このような戦略は端末で事業者独自の特色を出しにくくなることと等しい。この点について、孫社長は「今回発表したULTRA SPEEDのような高速性、スマートフォンOSのバージョン、iPhone/iPadのような本命中の本命のデバイスを扱う点などを、ソフトバンクモバイルならではの差異化ポイントとしたい」と説明した。