ソニーは2010年11月2日、スタジアムでのライブエンタテインメントをより楽しめるソリューションビジネスを開始すると発表した。国内初の事例として、サッカーJリーグ・鹿島アントラーズのホームスタジアムである茨城県立カシマサッカースタジアムに、システムを導入した。

 導入したシステムは、旋回型HD 3CMOSカラービデオカメラ、小型のデジタルHDビデオカメラレコーダー、スタジアム内コンテンツ配信システムなどで構成される。このシステムによるサービスは、2010年11月7日のJ1リーグ第29節、名古屋グランパス戦から開始される。

 このシステムは、ソニーの国内B2Bビジネスを担当する100%子会社であるソニービジネスソリューション(SBSC)が提供した。SBSCは鹿島アントラーズのテクニカルサプライヤーとして、システムの設計・構築から保守までをトータルにサポートする。

 スタジアム内コンテンツ配信システムは、スタジアム内各所に設置された業務用カメラからの映像をPSP「プレイステーション・ポータブル」で再生可能な映像サイズ/フォーマットに変換したビデオストリーミングをスタジアム内の無線LAN網を活用して配信するものである。このほか、独自のアプリケーションで作成したハイライト映像、試合、チーム、リーグの情報など様々なコンテンツなども配信できる。

 観客は手元のPSPを使い、これらのコンテンツを視聴できる。スタジアム内のみで見られるマルチアングルの「いまだけ・ここだけ・あなただけ」のコンテンツと位置づける。鹿島アントラーズは、この情報サービスを「ASK(アスク) 」と名づけた。Antlers Spectator's Kitの略である。また、観戦者からのハテナに答えられるようなツールにしていくという意味があるという。

 なおカシマスタジアムにおける今年度のサービスはSOCIOゴールド席が対象で、順次範囲を拡大する予定。コンテンツは、鹿島アントラーズが貸し出すPSPのみで視聴できる。

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