立体(3D)センサー技術の米Canestaは米国時間2010年10月29日、米Microsoftによる同社買収についてMicrosoftと最終合意を結んだと発表した。買収金額などの詳細は明らかにしていない。手続きは年内に完了する見込み。

 Canestaは、3Dセンサーのシングルチップを手がけており、自然な体の動作によって操作するインタフェース(NUI:Natural User Interface)を可能にするための技術を開発してきた。1999年の設立以来、44件の特許を取得し、申請中の特許は20件以上。これまで6000万ドルの資金調達を達成している。同社社長兼最高経営責任者(CEO)のJim Spare氏は、Microsoftのテレビプラットフォーム部門で事業開発ディレクターを務めた経歴を持つ。

 Spare氏は、今後十数年のうちにNUIがあらゆるデバイスで一般的な入力手法になるとみている。「Microsoftは企業向けから消費者向け製品にわたる幅広い視野と市場プレゼンスを持ち、NUIにも取り組んでいる。Microsoftと統合することで、当社の技術は多くのアプリケーションで採用が進むと確信している」と述べた。

 Microsoftは、ジェスチャーを感知してゲームを操作するコントローラー「Kinect for Xbox 360」を6月に発表しており、北米で11月4日に発売する予定だ(関連記事:Microsoft、ジェスチャーでゲームを操作する「Kinect」を発表)。米メディアの報道(New York Times)によるとKinectでは、Canestaの競合社であるイスラエルPrimeSenseの技術を採用している。また最近のインタビューでMicrosoftのCEO、Steve Ballmer氏は、ジェスチャー技術をビデオゲーム以外にも広げる計画について語った。

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