米Appleが携帯電話関連の特許を侵害されたとして米Motorolaを提訴した。米英メディア各社(Wall Street JournalFinancial Timesなど)の報道によると、Appleは10月29日にウイスコンシン州の米連邦地方裁判所に2件の訴訟を申し立て、Motorolaに対して損害賠償の支払いと販売差止を命じるよう求めたという。

 Motorolaは10月6日に、Appleを特許侵害で米国際貿易委員会(ITC)とイリノイ州連邦地裁、フロリダ州連邦地裁に提訴している。Appleの「iPhone」「iPad」「iPod touch」および「Macintosh」の一部機種と、一部オンラインサービスが、無線通信やスマートフォンの主要機能に関する同社技術を不正に使用していると主張。販売差止や特許の使用停止、損害賠償命令を要請した(関連記事:MotorolaがAppleを提訴、iPhoneなどによる18件の特許侵害を主張)。

 Wall Street Journalによれば、Appleが今回提出した訴状では、Android搭載端末「Droid」シリーズを含むMotorola製スマートフォンが、Appleのタッチスクリーンやマルチタッチ技術、および画面表示や操作に関する6件の特許を侵害したとしている。MotorolaはAppleの提訴に対して争う姿勢を見せ、「この問題では強く当社の正当性を主張し、Appleの引き続く侵害行為を阻止するために当社の訴訟を進める」と述べたという。

 スマートフォン事業を巡っては訴訟が次々と起きており、Motorolaは米Microsoftからも電子メールやスケジュールの同期に関する特許侵害で訴えられている(関連記事:Microsoft、Android端末の特許侵害でMotorolaを提訴)。またAppleは台湾HTCも特許侵害で提訴しているが、これを受けてHTCが反訴し、両社の要請に応じてITCが調査を始めている(関連記事:米国際貿易委、HTCの要請に応じてAppleのiPhoneなどを調査へ