写真1●NTTコミュニケーションズが2011年4月から提供予定の新VPNサービスの概要
写真1●NTTコミュニケーションズが2011年4月から提供予定の新VPNサービスの概要
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写真2●ユーザーが拠点ごとにアクセス回線の帯域と品質を選択し、統一されたオプションを付加できる
写真2●ユーザーが拠点ごとにアクセス回線の帯域と品質を選択し、統一されたオプションを付加できる
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写真3●アクセス回線のバックアップが標準で用意される。外すこともできる
写真3●アクセス回線のバックアップが標準で用意される。外すこともできる
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は、2010年10月28日から29日にかけて開催した「NTT Communications Forum 2010」の中で、12月に発表予定の「新VPNサービス(仮称)」の概要を明らかにした(写真1)。

 新VPNサービスは、現在提供している「Group-VPN」「Group-Ether」「Arcstar IP-VPN」「e-VLAN」という4つのサービスを一つにまとめたもの。従来の4つのサービスは、同社がユーザーのニーズを想定して、それに合わせてそれぞれのオプションを決めていた。ユーザーは4つのサービスの中から拠点ごとにサービスを選択して、それらを組み合わせてVPNを構築していたが、「サービスごとに選べるオプションが異なるため、同一ポリシーで管理できないことがあった。また、別サービスへの移行手続きに時間がかかった」(説明員)という。新VPNサービスであれば、すべての拠点で同一のオプションを付加したり、アクセス回線の変更が簡単にできたりするようになるとしている(写真2)。

 このほか新VPNサービスでは、(1)サービス基盤「BizCITY」との直接接続、(2)アクセス回線のバックアップを標準装備、(3)拠点間、データセンター間での疎通監視――といった特徴がある。

 (1)のBizCITYとの直接接続は、これまでのVPNサービスでBizCITYを利用する場合、月額7350円かかるアプリケーション接続サービス(写真1の「アプリケーションGW」)を申し込む必要があった。新VPNサービスでは、このサービスを申し込まなくても利用できるようになる。

 (2)のバックアップとは、拠点を接続するアクセス回線に障害が発生したときに切り替える回線が標準で用意されること(写真3)。データセンターなどを接続するためのアクセス回線では、帯域確保型のアクセス回線を二重化する。そのほかのアクセス回線では、障害が発生したときにワイヤレスの3G回線に切り替えるようになる。

 (3)の疎通監視とは、ユーザーが契約した拠点とデータセンター、BizCITYと拠点といったエンド・ツウ・エンドの疎通確認を実施すること。これまではVPNサービス網と各拠点との疎通確認だけを行ってきたが、エンド・ツウ・エンドに変更することで「障害の発生を 検知することと、問題が発生した個所を特定することが素早くできるようになる」(説明員)としている。

 新VPNサービスの提供開始は、2011年4月の予定。価格については、「これまでの同等のサービスと比較すれば、同じかそれ以下で利用できるようになる」(説明員)という。