奈良県を地盤とする南都銀行で2010年10月29日、残高証明書の発行手数料を二重に引き落とす事態が発生した。原因は、システム担当者がテストデータを削除し忘れるという“うっかりミス”にあった。被害件数は約7000件に達した。

 二重引き落としは、あらかじめ決めた日に預金口座の残高がいくらあるかを証明する「継続残高証明書」の発行手数料で発生した。南都銀行は2010年10月29日未明に、2010年4~9月に継続残高証明書を発行した顧客の預金口座から発行手数料を一括して引き落とすバッチ処理を予定していた。万全を期すため同行は2010年10月初旬、事前に口座振替のテストデータを作成し、テスト処理を実行していた。

 ここで、同行のシステム担当者がテストデータを削除し忘れた。このため、2010年10月29日未明の時点で、システム内にテストデータと本番データの二つが存在していた。そのままバッチ処理を実行したため、二重引き落としが発生した。