写真●マサチューセッツ州ボストンにあるキーン本社の外観
写真●マサチューセッツ州ボストンにあるキーン本社の外観
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 NTTデータは2010年10月29日、米国のITサービス企業「キーン」(写真)の買収について、キーンならびに同社の株主代表と合意したと発表した。買収額は非公表だが1000億円強とみられる。買収完了時期は2010年12月を予定している。

 NTTデータによれば、キーンは「総合的かつグローバルに提供しているITサービス企業」である。アプリケーションの開発・保守に加え、独SAPや米OracleのERP(統合基幹業務システム)パッケージの導入サービス、インフラ管理サービス、BPOサービスなどを提供しているという。

 キーンの顧客は、公共系や金融系、製造企業や製薬企業など幅広い。商圏の中心は北米だが、欧州やアジアに及ぶ顧客を持つ。2009年12月期の売上高は約654億100万円。従業員1万2500人のうち、半数の6900人はインドのオフショア開発センターなどアジア圏で勤務する。設立は1965年で、本社はマサチューセッツ州ボストンにある。

 NTTデータは買収の目的を「北米での大規模かつ安定的な顧客基盤と高度な営業ノウハウ・熟練した営業要員を獲得すること」と「(キーンの持つ)グローバルオペレーションノウハウを(NTTデータ)グループに取り込むこと」としている。欧州とアジアにあるNTTデータの海外子会社をキーンを軸に連携させることで、日本企業をグローバルにサポートできる、ともしている。

 NTTデータは2013年3月期に海外売上高3000億円を掲げている。これに向けて2005年以降、16社の海外IT企業を買収してきた。これまで米インテリグループや独サークエント、独アイテリジェンスの買収において買収額が100億円を超えることはあったが、今回のキーンの買収額は1000億円以上であり、過去最大となった。