画面1●Webページを開いてから一定時間経過後に電話番号をポップアップする。展示会「NTTコミュニケーションズフォーラム」で披露したデモ画面
画面1●Webページを開いてから一定時間経過後に電話番号をポップアップする。展示会「NTTコミュニケーションズフォーラム」で披露したデモ画面
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画面2●時間帯別にWebと電話のコンタクト数の推移を見る画面のデモ
画面2●時間帯別にWebと電話のコンタクト数の推移を見る画面のデモ
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 NTTコミュニケーションズと、同社子会社でWebサイトログ分析ツール開発のデジタルフォレストは、2011年春をめどに、Webサイトへのアクセスと電話(フリーダイヤルなど)によるコンタクトを一括して管理・分析できる「マルチチャネル解析」サービスを開始する。価格体系は未定。

 両社は、ネットと電話で相互に顧客を誘導し、その経過を分析する機能を提供する。

 まず、ネットから電話への誘導では、Webサイトを開いてから一定時間経過後に電話番号をポップアップさせる(画面1)。ポップアップまでの時間は、Webサイトのログを分析し、「ページを開いてから数十秒が経過し、じっくりと商品を検討していることが明らかなタイミング」をはじき出す。

 逆に、電話からネットへの誘導では、電話が込み合っているときや受付時間外のときに、発信元携帯電話へWebサイトのURLをメールで自動送信するといった手法を検討している。

 これらの結果を集約・集計し、時間帯別にWebアクセス回数、ポップアップ表示回数、電話受信回数などを一覧できるようにする(画面2)。

 デジタルフォレストの小川貴弘取締役は、「顧客企業の声を聞いていると、ネット上だけで広告を出したり分析したりするには限界があるという認識が広まりつつある。電話の価値を見直してもらうきっかけにしたい」と説明する。

 一般に、受注・相談を電話で受け付けるのはコスト高になると思われがち。半面、商品の性質や顧客層によっては、商品説明から受発注までネット上で完結させるのは無理があったり、ネットだけではリピート購入につながるようなロイヤルティを獲得しにくかったりするという課題がある。

 そこで新サービスは、フリーダイヤル(電話料金を着信者が支払うサービス)の契約事業者に限定して提供する予定だ。ナビダイヤル(電話料金の一部を全国一律で発信者が負担するサービス)の契約事業者向けのサービス提供も準備ができ次第始める。

 NTTコミュニケーションズはフリーダイヤルとナビダイヤルの契約件数を公表していないが、傾向としては減少が続いているという。ネット通販が普及しているうえ、電話料金を負担する企業側のコスト意識が高まった影響が出ている。

 NTTコミュニケーションズは、Web解析ツールとの連携でフリーダイヤルなどの契約維持と掘り起しを図る。一方のデジタルフォレストは、大手企業の顧客が多く、新サービスでフリーダイヤル導入済みの中堅・中小事業者にも解析ツールを売り込む考えだ。