写真1●ソフトバンクの孫正義社長
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写真2●「ソフトバンク 勝利の方程式」
写真2●「ソフトバンク 勝利の方程式」
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 ソフトバンクは2010年10月28日、2010年度の第2四半期決算を発表した。売上高は第2四半期までの累計で、対前年度比8.6%増の1兆4650億円、営業利益は同36.8%増の3155億円の増収増益だった。増益は5期連続の最高益更新となる。

 売り上げ、利益を押し上げたのは移動体通信事業だ。移動体通信事業の売上高は、同13%増の9400億円、営業利益は同57.3%増の2072億円となった。iPhone、iPadの人気などにより、上期の純増数が159万7600件(前年度は68万件)と好調に推移したことが大きな要因となっている。

 iPhone、iPadなどによって、ARPUが増加したことも利益に貢献した。第2四半期のARPUは前年同期比150円増となる4300円。データARPUは同300円増の2290円である。孫正義社長(写真1)は「世界的にARPUが減少傾向の中で、ARPUが反転している携帯電話事業者はほとんどない。データARPUが増えたことが増益の大きな要因」と説明した。

 好調に推移する決算内容を紹介した後、孫社長は「これからも勝ち続ける」として、「ソフトバンク 勝利の方程式」(写真2)を紹介した。携帯端末の分野で従来端末をスマートフォンが置き換えていく、またパソコンの分野で従来型パソコンをiPadのようなタブレット端末(スマートパッドと表現)が置き換えていくというトレンドを予測したうえで、同社はその波に乗ってモバイルインターネットの分野でNo.1になるという意味だ。iPhoneやiPadのようなキラーデバイスをますます重要視する戦略と取れる。

 そのうえで同社は、2010年代のいずれかのタイミングで、ソフトバンクモバイルの契約回線数を4000万回線とする構想を明らかにした。現在の同社の契約数は約2400万契約であり、救済に乗り出したウィルコムの契約数は約400万である。4000万回線とするには、今後9年で約1200万回線を獲得する必要がある。つまり年間約130万強の純増ペースを続けていく計算になる。この目標を増益を維持、純有利子負債をゼロとしたまま達成したいとした。

 なおソフトバンクモバイルの上期の端末出荷台数は474万台(前年同期は410万台)。その中でスマートフォンが占める割合については、「非公表だが、毎月割合は高まっており他社よりはるかに高いと思う。特に新規のスマートフォン比率は相当高い。純増に占めるスマートフォンやスマートパッドの比率は半分を超えていると思っている」(孫社長)とした。

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