写真1●説明会の様子。写真の人物はデモに先立ってAndroid端末やクラウドの現状などを説明した米Googleのデイブ・ジルアード エンタープライズ担当社長
写真1●説明会の様子。写真の人物はデモに先立ってAndroid端末やクラウドの現状などを説明した米Googleのデイブ・ジルアード エンタープライズ担当社長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●DocVerseを使った共同作業の実演デモの様子。クラウド上のOffice文書を2台のパソコンで共同編集している
写真2●DocVerseを使った共同作業の実演デモの様子。クラウド上のOffice文書を2台のパソコンで共同編集している
[画像のクリックで拡大表示]

 7年以上も昔に発売されたMicrosoft Office 2003のような古いオフィス・ソフトでも、プラグインを追加するだけでネット経由で共同作業が可能なクラウド対応ソフトに変身する--。グーグルは2010年10月28日、記者説明会を開催し、最新あるいは今後提供を予定している新技術やサービスなどをデモを交えて紹介した(写真1)。

 会場で披露した技術デモは5つ。(1)同社の無償メールサービス「Gmail」に重要なメールを読み逃さないための自動判別や並び替え機能などを提供する「優先トレイ」機能、(2)Webサイトへのログイン時に、通常のパスワード入力に加えてiPhoneやAndroid端末などのスマートフォンで生成した認証コードを入力させることでパスワード認証を強化する「2段階パスワード認証」、(3)Googleドキュメントでリアルタイムでの共同編集を可能にする「リアルタイムコラボレーション」機能、(4)Microsoft Office製品にクラウド経由での共同作業機能を追加するツール「DocVerse」、(5)マイクに向かって話した内容をクラウド経由で即座に翻訳する「リアルタイム翻訳」サービス--である。

専用プラグインで文書保存先としてクラウドを追加

 (1)(2)(5)は提供済み、(3)はモバイル向け機能以外は利用可能、(4)については未提供で時期も未定としている。5つの技術デモのうち、会場で特に目を引いたのはやはり今後提供を予定している(4)のDocVerseだ(写真2)。DocVerseは、元々米Googleが2010年3月5日に買収した米DocVerseの技術を利用している。

 DocVerseを使ったクラウド経由の共同作業の流れは以下のようになる。まずユーザーは、自分のパソコンにインストールしてあるMicrosoft Officeに対してプラグインソフト(ツールバー)を追加インストールする(プラグインソフトが対応するOfficeのバージョンは2003/2007/2010)。すると、編集中の文書を保存する際に、保存先としてローカルだけでなくGoogleのクラウドを指定できるようになる。

 ユーザーが文書をクラウドに保存すると、共同作業をしているほかのユーザーに保存先などが記されたメールを送信できる。これを受け取ったほかのユーザーは、メール中のリンクをクリックすることでWebブラウザ上で文書をプレビューできる。単に確認したいだけならOfficeを立ち上げる必要はない。

 変更点が気に入らなかったり、さらに加工したかったりする場合は、メールに記載されたクラウド中での文書へのリンクをクリックすることでOfficeが立ち上がり、文書を編集可能になる。この繰り返しによって共同作業を実現する。