写真●NECフィールディングの中西清司社長
写真●NECフィールディングの中西清司社長
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 NECフィールディングは2010年10月27日、2010年4~9月期の決算を発表した。売上高は前年同期比1.7%増の909億8800万円、営業利益は同11.5%減の34億5700万円、経常利益は同2.6%減の36億9400万円、純利益は同10.3%減の20億5900万円と増収減益だった。中西清司社長は「まだ景気は不安定だが、一部のIT需要は回復している印象を持っている」とした。

 中西社長が需要回復の根拠に挙げるのが受注の回復だ。2010年9月末の受注残高は約300億円で、前年同期よりも9%多い。新規システムの構築事業は不調が続くが、「第2四半期は第1四半期よりも前年同期との差が小さくなってきた」(中西社長)。今後は同社がライフサイクルマネジメント(LCM)と呼ぶアウトソーシングサービスやクラウド関連サービスを中心に、ITコスト削減ニーズを深耕する計画という。

 セグメント別に見ると、既存システムのアップグレードや拡張、備品、消耗品の提供サービスである「サプライサービス」が前年同期比21.6%増の売上高196億5500万円と大きく伸びた。「大型案件を受注できた」(中西社長)点が効いた。システム展開サービスの売上高は同4.3%減の139億6000万円、運用サポートの売上高は同3.8%増の97億2600万円だった。

 同社の事業の柱である保守サービスは、前年同期比3.5%減の売上高476億4500万円だった。「日本経済全体の縮小の影響を脱していない。人員減で利用者のいなくなった端末が保守対象外になるなどで既存契約が減少した」(中西社長)。

 2011年3月期の見通しは従来からの数字を据え置く。通期の売上高は前年度比0.6%増の1920億円、営業利益は同11.7%減の90億円、経常利益は同11.0%減の90億円、純利益は同1.5%減の48億円を計画する。