マカフィーは2010年10月26日、仮想環境向けに特化したウイルス対策ソフト「McAfee Management for Optimized Virtual Environments(MOVE)」の販売を開始した。ウイルスをスキャンする際にかかる負荷を低減する機能や、起動していない仮想マシンのイメージをスキャンする機能などを搭載した。

 MOVEには二つの製品がある。「MOVE Anti-Virus for Virtual Desktops」と「MOVE Anti-Virus for Virtual Servers」である。前者は、仮想化ソフト上で複数のクライアントPCを仮想マシンとして動かす、「仮想デスクトップ」の環境で利用する。後者は、サーバーを仮想マシンとして動かしている環境で使う製品だ。

 for Virtual Desktopsの特徴は、複数の仮想化されたクライアントPCのウイルススキャンを、1台の仮想マシンだけで実施する点だ。システム管理者は、仮想化ソフトのハイパーバイザー上の1台の仮想マシンでfor Virtual Desktopsを構成するソフトの一つ「MOVE AV Server」を動かす。

 このAV Serverがハイパーバイザーと連携し、ほかの仮想マシンのウイルススキャンをする。AV Serverが動いている仮想マシンのリソースを使ってウイルス対策をするため、スキャン対象の仮想マシンには負荷がかからない。

 一方、for Virtual Serversは、仮想マシンとして動く各サーバーの処理負荷に応じて、ウイルススキャンを開始する時間を自動的に変更する機能を備える。起動していない仮想マシンのイメージファイルをスキャンする機能も搭載する。

 for Virtual DesktopsはCitrix XenDesktopとVMware Viewに対応する。価格は1ライセンス2520円から。for Virtual ServersはCitrix XenServer 5.5とVMware vSphere 4.0に対応。価格は1ライセンス5万400円から。