写真1●携帯電話と新しい血圧計を手に説明するオムロンヘルスケアの小林洋執行役員常務
写真1●携帯電話と新しい血圧計を手に説明するオムロンヘルスケアの小林洋執行役員常務
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写真2●オムロンヘルスケアの健康管理サービスWellnessLINKの画面
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写真3●オムロンヘルスケアが2010年11月1日に発売する血圧計、体重体組成計、歩数計
写真3●オムロンヘルスケアが2010年11月1日に発売する血圧計、体重体組成計、歩数計
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 家庭用健康機器大手のオムロンヘルスケアは2010年10月26日、新しい健康管理サービス「WellnessLINK(ウェルネスリンク)」と、これに対応した血圧計・体重体組成計・歩数計3機種を発表した。FeliCa(フェリカ)機能を持つ携帯電話(おサイフケータイ)と組み合わせて、インターネット上のWebサイトに計測データを蓄積し健康管理に役立てられるのが特徴だ。11月1日からサービス開始・発売する。新サービスの会員数は初年度13万人、2012年度までに100万人を目指す。

 同社の小林洋執行役員常務(写真1)は「血圧や体重などを維持するには、自分のデータを自分で管理することが必要。しかも1人でやっていては途中であきらめてしまう。ネット上でのコミュニケーションがあれば、行動変容を促せる可能性がある」と説明した。

 新機種は、携帯電話やインターネットを経由して新サイトWellnessLINK(写真2)と接続し、計測データを送信・蓄積できる。「マイグラフ」機能ではこれをグラフ化して変化を見られる。さらに、「データナビ」では週に1回、その週の傾向を基にした分析・アドバイスを表示する機能がある。例えば「最高血圧が月曜日に高くなる傾向があるため、週末は運動したり十分な睡眠を取りましょう」といった表示が出る。ただし、最高血圧が年齢などに比して異常に高い場合などは、1週間を待たずに警告画面が表示される。

忘年会シーズンの暴飲暴食を抑止?

 このほか「みんなでイベント」機能では、会員同士でコミュニティーを作り、自分のデータと参加者平均を比較するなどして体重や体脂肪率・血圧・歩数などを競い合うことができる。一般に年末の忘年会シーズンは飲食・飲酒の機会が増え、かつ気温が低くなるため、血圧は上がりがちだ。こうしたときでも、互いに血圧を見せ合いながら「今週は酒量を控えめにしたので血圧が落ち着いた」といったコミュニケーションができるようにしている。ミニブログ「Twitter(ツイッター)」と連動して健康状態をつぶやくことができる機能も備えた。

 同業大手ではタニタが、既に自社製品と連動したネット健康管理サービス「からだカルテ」を有料で提供している(関連記事)。オムロンはWellnessLINKサイトのサービス料自体は無料とし、自社製品を選択してもらう動機づけにする狙いだ。

 小林常務は「Webサイトに健康に関心を持つ人が集まるようになれば、医療や健康食品など外部パートナーとの協業も考えられる」と話し、WellnessLINKを軸に異業種との連携を目指す考えを明らかにした。

 11月1日に発売する新機種は、血圧計(HEM-7250-IT、想定市場価格1万2800円)、体重体組成計(HBF-208IT、同1万2800円)、歩数計(HJ-205IT、同3980円)の3機種である(写真3)。

 このうち血圧計と体重計は、FeliCa(フェリカ)送受信機を内蔵。FeliCa対応おサイフケータイをタッチするだけで携帯電話網経由でWellnessLINKのサイトに計測データをアップロードする機能を備える。発売時の対応機種はNTTドコモのおサイフケータイ対応機種のみだが、auやソフトバンクの携帯電話にも随時対応するとしている。さらに、歩数計も含めた3機種とも、USBケーブルでパソコンに接続すれば、インターネット経由で計測データを送信できる。

 小林常務は「Bluetooth(ブルートゥース)などほかの無線通信方式も検討したが、現時点ではFeliCaが最も低コストで利便性を高められると判断した」と説明する。