写真1●角川グループホールディングスの角川歴彦取締役会長
写真1●角川グループホールディングスの角川歴彦取締役会長
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写真2●Twitterなど外部のソーシャル・ネットワーク・サービスと連携する
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 角川グループホールディングス傘下の角川コンテンツゲートは2010年10月26日、電子書籍を中心とするコンテンツ配信プラットフォーム事業に参入すると発表した。角川グループホールディングスの角川歴彦取締役会長(写真1)は、「プラットフォームというからには、そこには100万単位の人が集まらなければ意味がないと思う」と語り、同事業の重要性を示した。

 プラットフォームの名称は「Book☆Walker」。第一弾として2010年12月に米アップルのiPhone/iPadを対象にしたBook☆Walker(機能限定版)をオープンし、ライトノベルやコミックなど初月で約100作品を提供する予定である。さらに2011年4月にはBook☆Walker(フル機能版)を提供。決済手段をクレジットカード、プリペイドカードなどに広げ、さらにマルチデバイス化を推進。iPad/iPhoneだけでなく、パソコンや、Androidを搭載する多機能情報端末にも順次対応する。作品数も約1000作品に広げ、雑誌や写真集なども扱う予定である。

 Book☆Walkerには角川グループの出版社各社がコンテンツを提供するほか、次のような特徴がある。(1)電子書籍をトリガーにして同社グループが持つ映像やグッズなどを販売、(2)Twitterなど外部のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)との連携(写真2)、(3)同社グループだけでなく外部のコンテンツプロバイダーの受け入れ、(4)リアルの書店との連携---などである。(2)のSNSとの連携では、例えば書籍の感想などを仲間内で共有するソーシャルリーディングの導入などを検討している。

 2010年11月に開始するBook☆Walker(機能限定版)で扱う電子書籍は、ボイジャーが開発した電子書籍フォーマットである「ドットブック(.book)」形式を採用したもの。書棚やストアの機能を備えた.book対応ビューワーを米アップルのApp Storeで配布する。2011年4月以降は、各コンテンツを.bookのソースファイルであるTTXファイルとして管理し、Android搭載端末やパソコン向けに独自のビューワーを開発するとしている。

 なお、作品のラインアップやロゴなどについては、2010年11月12日に「電子書籍・コミックサミットin秋葉原」の会場で発表するとしている。