米Adobe Systemsは米国時間2010年10月25日、アプリケーション実行環境の最新版「Adobe AIR 2.5」をリリースした。パソコンだけでなく、テレビ、タブレット型コンピュータ、スマートフォンにも対応する。同社Webサイトからダウンロードできる。併せてソフトウエア開発キット(SDK)も公開した。
新版では、従来のWindows、Mac OS、Linuxといったパソコン用OSに加え、モバイルプラットフォームへの拡大を図った。カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry Tablet OS」、米Googleの「Android」、米Appleの「iOS」をサポートする。
加速度センサー、カメラ、ビデオ、マイク、マルチタッチ、ジェスチャーへのサポートなど多数の新機能を追加した。開発者は位置情報を利用したアプリケーションやサービスを開発することも可能。アプリケーション内にネイティブなブラウザコントロールを表示でき、HTMLコンテンツと.SWFコンテンツを統合できる。SQLiteをサポートし、アプリケーション内でのデータベース保存とキャッシングが容易に行える。
韓国Samsungが、Adobe AIR 2.5を採用した最初のテレビを投入する予定。さらに、AIR 2.5を搭載したタブレット型コンピュータやスマートフォンを、台湾のAcerおよびHTC、米Motorola、RIM、Samsungなどが年内あるいは2011年初頭にリリースする。
Adobeは、電子出版ツール「Adobe Digital Publishing Suite」も発表した。デジタルコンテンツを作成し、最適化して、オンライン配信するためのサービスと技術を提供する。コンテンツ再販事業者やモバイル向けマーケットプレイスを通じた販売や、消費者への直販に対応する。2011年第2四半期より利用可能とし、「Professional」と「Enterprise」エディションを用意する。Professionalエディションの利用料は月額699ドルで、これに1発行あたりの手数料などが加算される。
そのほか、企業向けサーバーソリューションの新版「Adobe LiveCycle Enterprise Suite 2.5」も発表した。新機能「Adobe LiveCycle Mobile ES2」の追加によりモバイル対応を強化し、コラボレーション機能の向上も図った。