写真1●サイボウズの青野慶久代表取締役社長
写真1●サイボウズの青野慶久代表取締役社長
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写真2●サイボウズLiveの「公開プロフィール」
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 サイボウズは2010年10月25日、無償のWebサービス「サイボウズLive」を本格的にスタートした。これまで招待制で提供していたサービスを同日から自由登録制に切り替え、誰でも使えるようにする。同社の青野慶久代表取締役社長(写真1)は、「サイボウズLiveは、ビジネスのためのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。実名で、上司や取引先とのコラボレーションに使ってもらいたい」と述べた。

 サイボウズLiveは、カレンダー、タスク管理、ファイル共有といったグループウエア機能をWeb上で無償提供するサービス。情報を共有する「グループ」を無制限に作成できるのが特徴だ。2009年11月26日から招待制でスタートした。青野氏によると、これまでに4万1077人が利用し、1万2191個のグループが作成されたという。「私自身も、ビジネスだけでなく、親類と子供の写真を共有する、マンション管理組合でスケジュールを共有するなど、プライベートで便利に使っている」(青野氏)。

 これまで、同社はサイボウズLiveを「仕事でもプライベートでも使える無償のグループウエア」として紹介していたが、同日の発表会では「ビジネスのためのSNS」であることを強調。自由登録制の開始に併せて、ビジネス用途のための機能拡張を実施した。「代表的なSNSを分類すると、mixiは匿名/プライベート用、Facebookは実名/プライベート用。サイボウズLiveは、これらのサービスと競合しない、実名/ビジネス用のSNSを目指す」(青野氏)。

 ビジネス向けの機能として、同日からユーザー固有のURLでビジネスプロフィールを公開する「公開プロフィール」(写真2)を追加した。公開プロフィールはサイボウズLiveにログインしていなくてもWebブラウザで閲覧できる。青野氏は、「これは紙の名刺に置き換わるビジネスツールになる」とアピールした。

 サイボウズLiveでは、公開プロフィールのほかに、1ユーザーが複数のプロフィールを作成することができる。どのメンバーにどのプロフィールを公開するかは、ユーザー自身が選択可能。さらに、公開しているプロフィールに応じて、サイボウズLive上で提供する情報もコントロールすることが可能だ。

 例えば、サイボウズLiveには140文字のテキストと画像を投稿する「マイクロブログ」というTwitterのような機能がある。この機能では、投稿ごとにプロフィールを1つ選択する。投稿は、選択したプロフィールを公開しているメンバーにしか共有されない。「不特定多数の閲覧者がいるTwitterではビジネスに関する本音をツイートすることは難しいが、サイボウズLive上では、取引先や上司に知られたくない内容をツイートすることが可能」(同社 プロダクトマネージャーの丹野瑞紀氏)。

 Twitterと連携する機能も、同日から実装された。従来はEメールでのみ可能だったサイボウズLiveのグループへの参加依頼を、Twitterのダイレクトメールで送信できるようにした。また、Twitterアカウントを使ってサイボウズLive上で知人を検索できるようにした。さらに、2012年1月末までの期間限定で、1つのグループに登録できるユーザー数の上限をこれまでの20人から100人に引き上げた。2012年2月以降、21人以上の登録は月額100円の有償サービスとして提供するという。