2010年10月20日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2010」でNTTデータは、開発支援ツール「TERASOLUNA IDE」の設計書/ソースコードの自動生成機能をデモ展示している。
自動生成できるのは、Javaを使ったWebアプリケーションの設計書とソースコード。まず、事前準備としてデータベースを設計し、英語のカラム名と日本語の表示項目名を対応付けたマッピング情報ファイルを作成しておく。後は、ウィザードに従って必要な項目を選択していくだけで、Webアプリの設計書とJavaのソースコードを自動的に生成するのだという。「5分もあればWebアプリが完成する」(説明員)。
生成する設計書は、画面遷移図(写真1)やオンライン処理設計書など。発注元の顧客企業にほぼそのまま提出できる正式なドキュメントとして生成する。またJavaのソースコード(写真2)だけでなく、「TERASOLUNAフレームワーク」の動作に必要な設定ファイルなども自動的に生成される。
ただし、現状で扱えるWebアプリの処理パターンは、データの新規作成や変更、削除といった「データベースの更新」と、記録された情報を表示する「データベースの参照」の2種類だけ。自動生成によって作られるアプリの画面デザインも、単純に項目が並ぶだけのシンプルなものとなる。きちんとした画面デザインとするにはコードの編集が必要となる。
それでも、「大規模開発などで多数の技術者がソフトウエア開発に携わる場合、ソフトの品質のバラつきを抑えられるし、手間のかかる設計書を自動作成できる効果は大きい」(説明員)。また、人がコードを書かないため、その部分だけは単体テストを実施する手間を省けるという。
こうした設計書、ソースコードの自動生成機能は、現行のTERASOLUNA IDEには含まれていない。「来年度には提供していきたい」との意向だ。またその際には、扱えるWebアプリの処理パターンも増やしていきたいとしている。
NTTデータの「TERASOLUNA」は、開発手順・開発環境・サポートを一体としたシステム開発のトータルソリューションである。2007年には、その一部である「TERASOLUNAフレームワーク」をオープンソースとして公開。同フレームワークでの開発をサポートする開発支援ツール「TERASOLUNA IDE」は、2009年から販売している。