「携帯電話の半数はスマートフォンにシフトする」「まずAndroidを推進する」---。KDDIが2010年10月18日に都内で開催した新機種発表会において、12月1日付で同社の代表取締役社長に就任する田中孝司・代表取締役執行役員専務はこのように述べた。同社がAndroidスマートフォンに大きな期待を寄せていることが伝わってくる。
この日、KDDIが発表したAndroid搭載機種はAndroidスマートフォン3機種とタブレット型端末1機種(関連記事)。同社のAndroid搭載機は今までIS01、IS02の2機種だったが、今回の発表で一挙に6機種に急増する格好となる。
この日、KDDIはAndroid搭載機だけでなく、従来型携帯電話14機種、電子書籍端末1機種、iidaブランドのデザイン・ケータイ2機種、さらにはモバイルWiFiルーター、携帯電話に接続すればWiFiスポットとなる「モバイル無線LANターミナル」を一挙に発表した。ただ、発表時間の大半はAndroidスマートフォンに割いた。
Android搭載スマートフォン3機種
今回発表したAndroid搭載スマートフォン3機種の概要を見ていく。
「REGZA Phone IS04」(写真1)は富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製。Android搭載スマートフォンとして初めて防水処理を施している。「風呂でワンセグ放送を見る使い方も可能」(説明員)とのことだ。ディスプレイは約4.0インチTFT液晶(表示解像度854×480画素)、外形寸法は62×126×12.2mm、重量約149g(いずれも暫定値)。カメラは、有効画素数約1219万画素。搭載するのはAndroid 2.1である。Android 2.2へのアップグレードは予定しているが、時期は未定としている。
発表会での展示では、ワンセグ放送の視聴に限定したデモを実施していた。東芝製テレビに内蔵の「超解像」技術を搭載し、ワンセグやYouTubeなどの動画像に補完処理を施してオリジナルの動画よりも高い解像感で視聴できる。
CPUには、米Qualcomm製のSnapdragon QSD8650(最大動作周波数1GHz)を搭載する。RAMは512Mバイト。Flashメモリーのユーザー領域は約450Mバイト。IS03など、最新のスマートフォンと同等の水準である。
「IS05」(写真2)はシャープ製。女性の手でも持ちやすいコンパクトさ、カジュアルさを売りとする。ディスプレイは約3.4インチで854×480画素モバイルASV液晶。外形寸法は112×55×14mm、重量約132g(いずれも暫定値)で、先行して発表されたIS03と比べると小振りである。有効画素数約800万画素のカメラに加え、インカメラも搭載する。搭載するのは、最新バージョンのAndroid 2.2。Flashにも対応する。
展示会場には、残念ながらIS05の実機は展示されなかった。ただ、KDDIの説明員によれば「試作品は操作感もよく、自信作」とのことだ。
以上の国内メーカー2機種については、先行するIS01、IS03と同様、スウェーデンのOcean Observation製のユーザーインタフェース(UI)と、モリサワのフォントを搭載する。さらに、FeliCa、ワンセグ、赤外線通信、6軸センサーと独自機能を追加している。また、IS04は日本語変換機能にジャストシステムのATOKを搭載。Android版ATOKの搭載を正式に発表した機種は、これが初めてである。以上2機種の発売時期は「2011年春まで」としている。
もう1機種のスマートフォンである「SIRIUSα IS06」(写真3)は、韓国Pantech製。最新のAndroid 2.2を搭載すること、外形寸法59.4×115.95×11.2mm、重量109g(いずれも暫定値)と小型軽量であることが売りだ。発売時期は2010年内と、今回発表のAndroid搭載機種の中では最も早い時期となる。
IS06は、IS04やIS05のような日本独自仕様は特になく、グローバルモデルの日本投入という形である。UIは、アイコン・デザインやウィジェット類について、Pantechによる独自カスタマイズが施されている。