写真●NTTデータが展示する同社のアプライアンス製品「Lindacloud」(35ユニット版)
写真●NTTデータが展示する同社のアプライアンス製品「Lindacloud」(35ユニット版)
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 NTTデータは2010年10月18日、東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2010」展示会場で、アプライアンス製品「Lindacloud」(写真)を展示した。オープンソースの分散処理フレームワーク「Apache Hadoop」(以下、Hadoop)に対応し、低価格で導入できるのが特徴である。

 Lindacloudは複数のユニットから構成される。各ユニットは、プロセッサに4コアの「Intel Core2 Quad 9550s」、8Gバイトのメモリーを搭載したIAサーバーである。このユニット群の上で仮想化サーバー「Oracle VM Server」を稼働させ、必要に応じてハードウエア資源を配分する仕組みである。ストレージは分散ファイルシステムで管理する。データ記録時に自動的に2つのレプリカを作成することで、データの安全性と可用性を向上させている。

 同社は、このアプライアンス製品にさまざまなソフトウエアを搭載して販売していく。既に、Hadoopを搭載した「Lindacloud for Hadoop」、NASサーバーを搭載した「Lindacloud for NAS」、Windows Serverを搭載し、Thinクライアントからの接続に対応した「Lindacloud for ThinClient」などを出荷中だ。2010年12月には、同期型オンラインストレージサービスを提供する「Lindacloud for Lindasync」を出荷予定である。

 特筆すべきはLindacloud for Hadoopの存在である。同製品には、Hadoopのほか、Hadoopのフロントエンドソフト「Apache Hive」や全文検索ソフト「Apache Lucene」なども搭載する。こうした製品を用意した理由は、「これらのソフトの導入やシステム設計作業は簡単ではない面がある。技術者層もまだ薄くハードルが高い現状がある」(NTTデータ 法人システム事業本部テレコムビジネス事業部Lindacloud開発担当主任の山口宗慶氏)ため。すでにHadoopの研究目的での導入事例があるという。

 Lindacloudの特徴の一つが低価格性だ。Lindacloud for NASは、10ユニットと1台の予備ユニットのセットモデルで300万円から、35ユニットセットのLindacloud for Hadoopは800万円からである。こうした低価格性を実現できたのは、オープンソースソフトを積極的に利用したことのほか、「故障時のサービス停止を前提にした割り切ったモデルで開発したこと」(山口氏)にあるという。これには例えば、LANを2重化しないといったことが挙げられる。