写真1●参考出品されたコクヨS&Tのバーチャルウォール。85型ディスプレイが利用され、中央部にカメラが設置されている
写真1●参考出品されたコクヨS&Tのバーチャルウォール。85型ディスプレイが利用され、中央部にカメラが設置されている
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写真2●XVD形式で動画をリアルタイムにエンコード/デコードする「XVDコミュニケーションシステム」
写真2●XVD形式で動画をリアルタイムにエンコード/デコードする「XVDコミュニケーションシステム」
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 はるか遠方がまるで隣の部屋のように見えて、そこにいる人と話ができるバーチャルウォール。85インチの大型ディスプレイにフルHD動画を表示する非常にリアルなバーチャルウォールを、コクヨS&TがITpro EXPO 2010に参考出品、デモを繰り広げている(写真1)。

 バーチャルウォールシステム自体はすでに複数社が製品化しているが、コクヨS&Tのシステムは低ランニングコストでフルHD動画の通信ができるのが特徴。実際に、東京ビッグサイトの展示会場と霞ヶ関の同社オフィスを結ぶデモを披露しているが、なかなかの画質である。

 システムの中枢には、2009年9月に発売した「XVDコミュニケーションシステム」を採用(写真2)。パナソニックの85型ディスプレイに加え、ソニーのビデオカメラとヤマハの音響システムを組み合わせている。

 XVDコミュニケーションシステムは、インターネットを介して動画を送受信する装置で、フルHD動画(1920×1080ピクセル)をXVD形式でリアルタイムにエンコード/デコードする。1M~2Mビット/秒の帯域でフルHDでの通信が可能であるため、専用網を使わなくても、一般の光回線で十分利用できる。また、遅延は片道で300ミリ秒程度であり、普通に会話するには十分な応答速度となっている。

 現在の課題は、ディスプレイ中央にカメラを設置するため、多少違和感があること。今後製品化していくなかで、見た目なども改善していくとしている。現在、XVDコミュニケーションシステム単体は標準価格126万円で販売されているが、ディスプレイを除くバーチャルウォールのシステム価格は200万円程度を想定している。