クロスデザインは、ITpro EXPO 2010の「電子出版パビリオン」に、同社独自開発のデジタルメディアビューア「CrossViewer」を採用した電子書籍を出展し、初めて一般公開した。ブースでは、10月3日に発行されたばかりの『もしもし下北沢』(毎日新聞社発行、よしもとばなな氏著)と、現在米アップルがApp Storeへの登録のためにレビューしている『ネットワーク開発物語』(日経BP社発行)の、それぞれiPad版とiPhone/iPod Touch版(写真1)を見ることができる。
CrossViewerの特徴は、ページという概念を持たない書籍風アプリを作れること。iPadといった端末の特長に特化した見せ方などを実現しやすい。ただし、コンテンツ自体は、HTML4/5およびCSS2/3をベースに作成しており、他のプラットフォームにも展開しやすい。現時点で対応している端末は、iPadとiPhone/iPod touchだが、今後はAndroid版なども対応する計画だ。
会場ブースでは、電子書籍の制作過程の一部も紹介している。紙やWebなど複数のメディアへの出力を対象にした電子組版システム「LEPUS」(開発は同社)を用いて、ブラウザー上で編集・修正した内容をiPad版電子書籍に反映させるデモなどが見られる。
例えば、写真2のタイトルを変更したい場合、写真3のWebブラウザーの画面から直接編集し、その後アプリケーションをビルドし直す(写真4)。実際の処理はサーバー側で実施されている。出来上がったアプリを再度iTunesに登録してiPadに転送すれば、写真5のようにタイトルが編集されている。
なお、10月19日の13時から開かれるデジタル・パブリッシング・カンファレンスにおいて、クロスデザインはITpro EXPO展示会場内の特設セミナー会場で講演する。