独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は2010年10月15日、「2010年度日本OSS貢献者賞」および「2010年度日本OSS奨励賞」の受賞者を発表した。貢献者賞にKNOPPIX日本語版の須崎有康氏や「なでしこ」の酒徳峰章氏ら4人、奨励賞にkumofsの古橋貞之氏ら6人、しまねOSS協議会など2団体が選ばれた。

 日本OSS貢献者賞は、影響力のあるOSS(オープンソースソフトウエア)プロジェクトを創設した開発者、世界的なプロジェクトで活躍する開発者、コミュニティ運営やドキュメンテーションなどでOSSの普及に貢献した個人を表彰するもの。2005年に第1回を実施、今回が6回めとなる。

 2010年度日本OSS貢献者賞の受賞者は以下の4人。

・酒徳峰章氏
 日本語プログラミング言語「なでしこ」を開発

・須崎有康氏
 CD/DVD起動Linux KNOPPIX日本語版の開発および改良

・曽田哲之氏
 NetBSD/arcのポートメンテナ。NetBSDの開発に13年間以上携わる

・武藤健志氏
 Debian Project公式開発者。印刷システム、インストーラ、国際化など多くの分野で活躍

 日本OSS奨励賞は、過去1年間にOSSの開発や普及で活躍した個人やグループを表彰するもの。2009年に新設され、今回が第2回めとなる。

 2010年度日本OSS奨励賞を受賞したのは以下の6人および2団体。

・池田百合子氏
 WordPressの携帯ブログ構築プラグインKtai Style開発者

・岩松信洋氏
 Debian Project公式開発者。SHアーキテクチャへの移植に貢献

・角藤亮氏
 TeX日本語環境を整備・開発、配布

・塚田朗弘氏
 日本電子専門学校 電設部 IT勉強会プロジェクトリーダーを務め、勉強会の普及に貢献

・藤井雅雄氏
 PostgreSQLに標準採用されたデータ複製機能ストリーミング・レプリケーションを開発

・古橋貞之氏
 キーバリュー型データストアkumofsを開発

・OSGeo財団日本支部
 オープンソース地理空間ソフトウエアFOSS4G普及促進団体

・しまねOSS協議会
 島根県でOSSにかかわる企業、技術者、研究者、ユーザーの団体

 10月28日にIPAが開催する「IPA Forum 2010」で授賞式を行う。

[発表資料]