Sitecore CMSの編集画面。ワープロのようなWYSIWYGエディタでコンテンツを編集できる
Sitecore CMSの編集画面。ワープロのようなWYSIWYGエディタでコンテンツを編集できる
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ユーザーの属性に応じてキャンペーンを表示するなど、マーケティングのためのルールを設定できる
ユーザーの属性に応じてキャンペーンを表示するなど、マーケティングのためのルールを設定できる
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サイトコア マーケティング&テクノロジー担当上席執行役 高沢冬樹氏
サイトコア マーケティング&テクノロジー担当上席執行役 高沢冬樹氏
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 サイトコアは同社のWebコンテンツ管理システム(CMS)「Sitecore CMS」の、Windows Azureに対応したクラウド版を、2010年内にも日本国内の一部顧客を対象に早急導入を開始する。海外では2010年10月から一部顧客にクローズドプレビュー版を提供しており、日本でも早期導入を目指す。

 サイトコアはデンマークを本拠とするSitecoreの日本法人。「Sitecore CMS」およびWebマーケティングツールの「Sitecore Online Marketing Suite」を販売している。

 特徴は、分析(アナリティクス)およびオンラインマーケティングのための機能をCMSに組み込んでいること。例えばページに「男性向けか、女性向けか」「プロか、アマチュアか」「セキュリティに興味があるか」といった属性を設定。サイトを利用しているユーザーは、訪れたページに設定された属性を持つと想定し、あらかじめ設定したキャンペーンの情報を表示したり、メニューを変化させたり、といったことができる。その結果、何%のユーザーがキャンペーンに反応し、何%が成約したかといった追跡も可能。

 「マーケティングは、仮説と検証の繰り返し。マーケティングのための機能と分析機能をCMSに統合したことで、仮説と検証のサイクルを素早く回せる。マーケティング業務全体の生産性を向上させることができる」(サイトコア マーケティング&テクノロジー担当上席執行役 高沢冬樹氏)。

 コンテンツは、ワープロのようなWYSIWYG(What You See Is What You Get)エディタで編集できる。将来のページ公開日時を指定してプレビューする機能を備え、これから公開するコンテンツの状況をあらかじめ確認可能。また、エラーやリンク切れなどを、ページごと、あるいはサイト全体を指定してチェックできる。法令順守などのためのルールをユーザーが設定してチェックを行うことも可能だ。

 SitecoreはWindowsサーバー上の.NETテクノロジにより開発されている。「そのため、Microsoft製品で提供される新しい機能や技術をいち早く取り込める。Sitecore CMSの管理ツール自体が.NETで開発されたWebアプリケーションだ」(高沢氏)。2010年内にも実施するAzure対応も、こうしたMicrosoft製品との連携強化の一環だ。

 全世界では2000社以上が、2万4000以上のサイトでSitecore CMSを採用している。ゴルフの動画配信・中継サイトOpenGolf.comでは、1日で1億2300万ビジターをさばいたという。欧州のロト(くじ)サイトであるBWinでは、400台のフロントエンドサーバー構成で1時間あたり2500万ページのリクエストを処理した。日本企業の海外拠点ではマツダ オーストラリア、スズキ USA、東芝 イギリス、三井海洋開発 米子会社、パイオニア オーストラリア、キャノン オーストラリアなどが採用している。

 同社は年内を目標に、日本でEメールキャンペーン管理機能を提供予定だ。ユーザーの属性に応じキャンペーンメールを送信し、その結果を分析する機能を持つ。キャンペーンページとメールのコンテンツを共通化し、効率的にキャンペーンを設定できるのが特徴。また、Sitecoreでは年内にEコマースサイトを構築するプラットフォームを提供予定で、「日本でも2010年前半に」(高沢氏)としている。