NTTデータは、オープンソースの分散バッチ処理ソフト「Hadoop」専業のベンチャー企業である米クラウデラと提携し、クラウデラの開発するHadoop関連製品を、日本を含むアジア太平洋地域で販売する。2010年10月12日(米国時間)に米国ニューヨークで開催される「Hadoop World 2010」で、NTTデータの山田伸一常務が発表する。両社は共同で、Hadoopのサポートや研修サービスなども展開する。

 Hadoopは、分散処理システムを構築するためのミドルウエア。グーグルがWeb検索エンジンのインデックスを作成するために独自開発した分散バッチ処理ソフト「MapReduce」と、分散ファイルシステムの「Google File System(GFS)」を基にして作られた。プログラマはHadoopを使うことで、データをノードに分散したり集約したりするネットワーク処理機構を、独自に開発する必要がなくなる。従来、分散処理プログラムを実現するためには、ネットワーク部分の開発が不可欠だった。

 クラウデラは、Hadoopの中心的な開発者であるダグ・カッティング氏らが所属するベンチャー企業で、Hadoopのディストリビューション(検証済みパッケージ)である「Cloudera's Distribution for Hadoop(CDH)」を開発しているほか、商用のHadoop管理ツール「Cloudera Enterprise」などを販売している。またHadoopのサポートサービスや、エンジニア向けHadoop研修サービスなども実施している。

 NTTデータとクラウデラは、Hadoopを日本の金融機関や政府機関、通信事業者、Webサービス事業者などに売り込む考え。NTTデータは、クラウデラ製のディストリビューションや管理ツールを販売するほか、サポートサービスやHadoop研修サービスも実施する。

 NTTデータは2010年7月1日から、Hadoopを使ったシステム構築・運用支援サービス「BizXaaSクラウド構築サービス Hadoop構築・運用ソリューション」を始めている。既に数百ノード以上のサーバーで構成するHadoopシステムを構築した実績もある。クラウデラとの提携によって、Hadoop関連のシステム構築事業の強化を図る。