IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースは2010年10月7日、「IPv4アドレス枯渇対応 アクションプラン 2010.10版」と「ISPサービスのIPv6対応ガイドライン」の二つの文書を公開した。いずれも同タスクフォースのWebサイトからダウンロードできる。

 「IPv4アドレス枯渇対応 アクションプラン」は、さまざまな事業者がIPv4アドレス枯渇問題に対応するためのアクションプランをまとめた文書で、2010.10版はアップデート版となる。この版における更新内容は、IPv6対応の進捗状況の評価と、官庁や自治体を含む企業ユーザー向けのアクションプランを盛り込んだこと。

 企業ユーザーが考慮すべきこととしては、4点が挙げられている。(1)外部へ公開しているサーバーを置いているDMZのIPv6/IPv4デュアル化に着手した方がよい、(2)IP-VPNなどWAN回線で利便性やコストなどの面を考慮してIPv6を使う可能性が出てくる、(3)今後は海外拠点新設の際のIPアドレス調達でIPv6を考慮する必要がある、(4)イントラネットの対応はすぐではないが、パソコンなどIPv6が動作する機器はケアが必要――である。

 アクションプランについては、10月8日にIPv4アドレス枯渇対応タスクフォースとインターネット協会が開催した「IPv6 Summit 2010」で、テレコムサービス協会/NECの今井恵一氏が解説。プロバイダー(ISP)の対応は進んでいるので、次の段階としてデータセンター/ASP/CSPがどういう活動をするべきか、自治体や企業のネットワークでどこまでの対応をしていくかについて、今後さらに情報提供をしていきたいと説明した。

 「ISPサービスのIPv6対応ガイドライン」は、ISPがIPv6インターネット接続サービスを提供するために、現状で押さえておくべき項目をまとめた文書。総務省の「インターネットサービス等のIPv6対応に係る基本指針」を意識して作成されている。条件項目は「必須」と「推奨」に分けて記載されている。

 このガイドラインは、IPv6 Summit 2010でNECビッグローブの川村聖一氏が解説。(1)DNSのルートサーバーへの到達性、(2)MTU(Maximum Transmission Unit)問題への対応、(3)他のISPとメールを交換する際のMX(Mail eXchange)の対応、(4)DNSキャッシュサーバーの対応、(5)IPv6に対応した回線の適切な表示、(6)IPv6サービスの保守運用対応――の6点が必須項目であると紹介した。

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