SDメモリーカードの仕様策定や普及促進などを図る業界団体「SDAssociation」は、2010年10月5日、「CEATEC JAPAN 2010」で開催されたセミナーにおいて、次世代仕様「SD Specification Version 4.00(SD 4.0)」に関する情報を明らかにした。

 SD 4.0と現行仕様の「SD Specification Version 3.00(SD 3.0)との最大の違いはSDバスのデータ伝送速度にある。SD 4.0では最大312Mバイト/秒にまで高速化する予定。SD 3.0で規定されたSDバスの最大データ伝送速度104Mバイト/秒の3倍の速度である。これは、メモリーカードの大容量化に伴い、データの書き込み/読み出し速度を速めて転送時間を短縮したいとするニーズが増していることが背景にある。

 登壇したSD Association Marketing Committee Co-Chairの中野一典氏によれば、SD 4.0の仕様が策定されるのは2011年初頭の予定だという。ただし、予定を公表しているのはSDメモリーカードのみ。Micro SDメモリーカードでの規格化スケジュールは未定とした。

 これはバス速度の高速化に伴い、専用の信号線を追加し、カードの端子数が増大するためである。現在、SDメモリーカードは9端子、microSDメモリーカードは8端子で構成する端子列を1列備える。これに数端子で構成する端子列が1列追加される。これにより端子数は、現在の2倍程度になるもよう。 SDメモリーカードでは、追加端子を設置する面積を確保できるものの、より小さいMicro SDカードでは設置面積が少ない。そのため、「レセプタクルにおける信頼性確保が難しい」(中野氏)という。なお、データ伝送速度の高速化に伴い、データ信号はLVDSで伝送する予定である。

Tech-On! スペシャルレポート「CEATEC JAPAN 2010」