衛星テレビ広告協議会(CAB-J)は2010年10月5日、現在の活動とCS放送メディアの現状を報告することを目的としたイベントである「CAB-Jパーティ2010」で、CS放送の接触率などの最新データを広告代理店などに報告した。

 2010年6月末現在におけるCS放送の加入世帯数は1095万世帯で、総世帯数に占める普及率は22.1%である。2009年10月から2010年8月までの期間におけるCS放送の年間平均接触率は、前年同期比で0.07%増の4.12%だった。年間平均接触率は、調査を開始した2007年以降、増加を続けている。

 世帯年収別のCS放送加入率は、世帯年収が高いほど加入率が高くなるという結果が出た。800~1000万円世帯では30%を超えており、2000万円以上では45.6%となった。「ペイテレビは可処分所得の多い富裕層に支持されているメディアと言える」(CAB-J)としている。なお、2009年のCS広告市場は174億円で、前年比で11.1%減となった。

 メディアデータ委員会の委員長である須藤修司氏は、ケーブルテレビと通信事業者の競争が激しい関西地区においてペイテレビ市場が成長していることを報告した。CAB-Jの調査によると、大阪府の2010年6月末現在における普及率は34.3%で、全国平均(22.1%)を12.2ポイント上回った。関西全体では25%程度だった。ビデオリサーチの調査でも、関西地区の多チャンネル視聴可能者比率は30.5%で前年の実績を3.5ポイント上回ったという。この結果、「2010年は関西地区の接触率が関東地区を追い抜いた」(須藤氏)という。

 関西地区と関東地区で、放送メディア別(地上放送とBS放送、CS放送)の接触率シェアを見ると、2010年は関西地区が前年比2%増の15%だった。関東地区は14%で前年の実績と同じだった。